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本作は、一度もカメラを止めずに全編を撮影する“完全ワンシーンワンカット”のドラマシリーズ第3弾「ドラマW 三谷幸喜『おい、太宰』」の劇場版。小説家の太宰治を敬愛する小室健作がタイムスリップし、太宰とその恋人・矢部トミ子に出会うさまが描かれる。田中が健作、小池がトミ子、宮澤が健作の妻・美代子、松山が太宰を演じた。また梶原が1人3役を担い、健作と出会う漁師の打雷次郎、その双子の兄・四郎、そして父親の四郎次郎に扮する。
三谷は「去年の秋口に撮影したときは、まさか映画になるとは思っていなかったので、この舞台に立っているのが不思議です。ただ、これこそ映画館で観てもらう作品だなという気持ちでもあります」「劇場だと集中力が上がりますし、同じ場所でみんなで笑いを共有できるという意味でも、映画館で観ていただけるのがうれしいです」と語る。
今作の撮影は静岡・下田の浜辺で行われた。苦労した点を聞かれると、田中は「現場に行ってみたら予想以上にお芝居するエリアが広かったんです。日によって潮位が違うので、お芝居する場所が変わりますし、天気の問題もありましたね」と振り返る。続けて三谷は「(撮影中)僕はカメラマンの後ろで見ていたかったけど、もし映り込んでしまったら大変なことになるので、浜辺の奥にある、森の中の小屋にスタンバイしていました。電波が届かない場所だったので音だけ聞いていました」と驚きの告白をする。そして梶原から「シリーズ第1作の撮影時に映り込んじゃったこともありましたよね?」と言われると、三谷は「始まって40分くらいのところで映っちゃって、中井貴一さんにすごく怒られました」と苦笑いする。
1日1回の撮影を6日間行った本作。宮澤は「毎日終わったあとに、撮ったものをみんなで一緒に観ました。ああいうふうに客観的に自分の芝居を見ることはあまりないのですが、あの時間で『もっといったほうがいいな』『抑えたほうがいいな』と細かく演技の修正をしていきました」と回想する。1人3役の梶原は、早着替えが大変だったと伝え「でもできあがったものを見てみたら、その苦労のかけらも見えていない。それはそれで素晴らしいですね」と笑った。
太宰と同じく青森出身の松山は「東京暮らしが長くなってシティボーイになってしまったので、RAB(青森放送)のうっちゃん(内山千早)にお願いして、青森駅の近くの喫茶店でずっと方言を練習していました。青森弁の中にも違いがあって、僕はもともと津軽弁ではなく下北弁なんですよ。今回は津軽弁と下北弁がかなりミックスされています」と役について述懐。三谷は「台本は方言ではなかったんですが、松山さんが方言でいきたいと。未だかつて青森弁で話す太宰はいなかったんじゃないかと思うので、画期的だったのでは」と続けた。
「もしほかの役を演じるなら誰にする?」という質問が飛ぶと、小池は「チャレンジするならエマの役(美代子)かな。圭さんとエマの夫婦関係が冒頭と後半で違うんですよね。私にはできないなと思うくらい素晴らしい演技で。もともと彼女のお芝居のファンでしたが、やっぱりいい女優さんだなと感じました」と宮澤をたたえ、2人でハグをする一幕もあった。
最後に三谷は「劇場版は、本編が終わったあとに特別企画としてもう1つのエンディングがあります。実はこれは、当初のエンディングだったんです。編集しているうちに、新しく考えたほうが実際のエンディングとなりました」と明かし「これから100分間、自分たちも浜辺にいるかのような臨場感を味わってください」と観客に語りかけ、イベントを締めた。
「三谷幸喜『おい、太宰』劇場版」は全国で上映中。
映画ナタリー @eiga_natalie
「三谷幸喜『おい、太宰』劇場版」公開記念舞台📸
田中圭が「おい、太宰」浜辺での撮影回想、三谷幸喜は小屋で待機「音だけ聞いてました」
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