吉本ばなな×奈良美智「ひな菊の人生」を湯浅政明がアニメ映画化、アヌシー映画祭に出品

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吉本ばなな、奈良美智による書籍「ひな菊の人生」がアニメーション映画化。「犬王」の湯浅政明が監督を務め、2026年に全国で公開されるとわかった。

「ひな菊の人生」原作挿画

「ひな菊の人生」原作挿画

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1998年から2000年まで月刊誌「CUT」で連載された「ひな菊の人生」は、吉本による小説を読んで喚起されたイメージを奈良が描き、その絵にインスパイアされた吉本がさらに執筆を重ねるという“魂の交信”によって生まれたもの。主人公は、幼少期にただ1人の家族だった母を事故で亡くしたひな菊だ。親友のダリアは、ひな菊が梅雨の夜に吹く縦笛の音を聞きつけ、彼女を支える。そしてダリアが母の故郷ブラジルに旅立ってから10数年後、大人になったひな菊は叔父と叔母が営む店で焼きそばを作りながら居候生活をしていた。そんなある日、ブラジルから1通の手紙が届くと、そこには会うことのなかった2人の魂の不思議なつながりが記されていたのだった。

ame pippinのロゴ

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本作は湯浅が2月に設立した自身のスタジオ・ame pippinの第1作となり、「化け猫あんずちゃん」などに携わったフランスのスタジオ・Miyu Productionsと共同製作。幼少期のキャラクター造形は奈良の原作挿画をもとにしている。脚本は「散歩する侵略者」「寝ても覚めても」など実写作品を手がけてきた田中幸子が担い、自身初となるアニメーション作品の執筆に挑んだ。

吉本は「常に同じものを見ている感じがする湯浅監督に撮ってもらうのは、私の夢でした! 湯浅監督は真の意味で『動き』を表せる人です。登場人物たちそれぞれの内面が動きになる瞬間を見ることができて幸せです」とコメント。湯浅は「ばななさんの中でも終始絵が想起される小説で、生々しく怖い部分がありながら、最後のくだりは、昔 自分が夢想していたような、とても嬉しい内容でした」と回想した。田中のメッセージは後掲している。

なお、同作がフランスで開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭2025の「Work in Progress」部門に出品されることも明らかに。現地時間6月13日には湯浅が登壇するプレゼンテーションも行われる。

吉本ばなな コメント

常に同じものを見ている感じがする湯浅監督に撮ってもらうのは、私の夢でした!
湯浅監督は真の意味で「動き」を表せる人です。登場人物たちそれぞれの内面が動きになる瞬間を見ることができて幸せです。

田中幸子 コメント

湯浅監督&ばななさんの原作&奈良さんのキャラ! この企画に携われてとても光栄です。監督の溢れる想像力を必死に受けとめ、人間のやさしさと繊細さと強さ、主人公の心の動き……大切にしたいことが山ほどあります。

湯浅政明 コメント

ばななさんの中でも終始絵が想起される小説で、生々しく怖い部分がありながら、
最後のくだりは、昔 自分が夢想していたような、とても嬉しい内容でした。
半径100メートルくらいの下町の焼きそば屋さんの人生を、宇宙規模で描きたいと思います。

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つよい

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