第18回田辺・弁慶映画祭のコンペティション部門に出品され、
「温帯の君へ」は、気候変動をテーマに“わかり合えなさ”を抱えた若者たちの恋と友情を描く物語。恋人同士である大学生の申田大樹と雪川翠は、ある夏の日に気候変動をテーマにした現代アート展を訪れる。展示を冷めた目で見つめる大樹とは対照的に、ひどくショックを受け動揺する翠。やがて翠のある行動をきっかけに、2人の関係性は少しずつ変化し始める。
大樹役の山下が本作で主演デビューを飾り、翠役に「優しさのすべて」「3653の旅」の二田、環境学生団体・CAFFの代表である森野美玖役にさいとうが起用された。加えて、
藤原は「豊かな詩情を内に秘めた山下諒、白いキャンバスのように純粋な二田絢乃、キャラクターの持つ混沌が身体からはみ出しているさいとうなり、三人の見事なアンサンブルがこの物語を温度ある人間ドラマへと昇華していた」と称賛。武田は「環境問題がテーマの作品と思いきや、人間関係がテーマな作品でもあり、向き合い方ひとつで目の前のことが変えられるかもしれないというヒントを、この映画から教えてもらいました」とつづった。そのほか俳優・
「温帯の君へ」の鑑賞料金は、当日一般・大学生・専門学生が1500円。劇場窓口にて取り扱われる前売券は1000円で購入できる。
映画「温帯の君へ」予告編
藤原季節(俳優)コメント
若く美しい映画が、新世代の目から見つめる社会問題へと迫っている。
監督の宮坂一輝がメッセージを伝える手段として“映画”を選んだのは、彼が今の世界に対して危機意識を持つのと同時に、人としての“情”を大切にし、描こうとしているからだと思う。薄情者が生きやすいこの世の中に「温帯の君へ」の登場人物たちは生きにくい。だからこそ僕はこの映画に強く共鳴した。
豊かな詩情を内に秘めた山下諒、白いキャンバスのように純粋な二田絢乃、キャラクターの持つ混沌が身体からはみ出しているさいとうなり、三人の見事なアンサンブルがこの物語を温度ある人間ドラマへと昇華していた。
武田梨奈(俳優)コメント
「分かろうとすることが大事なんだよ」
彼女にそう放った言葉が思いがけなく彼自身に返ってきた。
気候変動から生まれる気持ちの変化。
若者たちが抱くそれぞれの葛藤は、我々観客にもストレートに投げかけられているような気がした。
環境問題がテーマの作品と思いきや、人間関係がテーマな作品でもあり、向き合い方ひとつで目の前のことが変えられるかもしれないというヒントを、この映画から教えてもらいました。
山本大貴(環境アクティビスト / record1.5代表)コメント
理不尽な社会に疑問を持ち、立ち上がる。一方では、理不尽を受け入れ、競争社会で生き抜く。
こうした価値判断を幾度も行き来しながら、次第に「わたし」が問われていく全ての登場人物に、自分を重ねながら見ました。気候危機に立ち上がる人々にもわたしたちの日常にも寄り添い、対話を試みるあたたかさに、心惹かれます。
千種ゆり子(気象予報士 / 映画「わたしかもしれない(仮)」プロデューサー)コメント
気候変動は、深刻な問題。
わかってはいるけど、グレタさんのように声高に主張する人を見ると、何もしていない自分が非難されているように感じる。
議論するのは嫌だし、お互いのポリシーに踏み込むのも避けたい。だから耳を塞ぐ。
しかし本作では、大樹と翠がその壁を打ち破る。
2人の関係性がどう変わるのか、それを決定づける要素は何なのか。大樹の立ち居振る舞いを通して、わかる気がする。
その点、本作は見事に、環境問題を「自分の問題」に昇華している。
向里祐香(俳優)コメント
環境が壊れていくことよりも大樹と翠の絆が崩れゆく姿の方がずっと胸を締めつけた。
ただそっと手を握り、ぬくもりを伝えるだけで、目の前の誰かを救えるかもしれない。
それだけで十分なのかもしれない。
それこそが、何よりも尊く、確かなものであるということ。
ふと、そう感じた。
山下諒の映画作品
リンク
river @beadriver
[映画]テーマは気候変動、葛藤する若者たちの恋と友情を描いた「温帯の君へ」5月に公開(映画ナタリー) https://t.co/yNT8hEFClX |『温帯の君へ』公式サイト https://t.co/3YY3WV9ByS 「二人は気候変動をテーマにした現代アート展を訪れるが、感じ方はまるで正反対」