第97回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされている映画「
本作の舞台は、イスラエル軍による破壊行為と占領が進む、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区マサーフェル・ヤッタ。現状をカメラに収めて世界に発信することで、占領を停止させ故郷の村を守ろうとするパレスチナ人青年
このたび公開されたのは、2020年にマサーフェル・ヤッタで起こった事件の一端を捉えた映像。イスラエル軍と入植者による不条理な退去命令や破壊行為に抵抗するため、住民たちは家屋の建設を進めていたが、それを見つけた兵士たちが大工道具を没収しようとする。その最中、住民が所有する発電機をめぐって兵士たちと揉み合いになる姿も映し出された。
本作が第97回アカデミー賞にノミネートされたことを受け、アドラーはXに「映画がアカデミー賞にノミネートされて2日後の今、入植者たちが私のコミュニティであるマサーフェル・ヤッタに侵入し、家々に火を付けて破壊しています。ノミネートされたことは光栄ですが、トランプ米大統領が入植者に対する制裁を解除したその一方で、私たちは抹殺されかけています。ハリウッドの人々は気にかけているでしょうか? どうか黙っていないでください」という訴えを投稿。家から煙が上がる様子を記録した動画とともに発信している。
ひと足先に本編を鑑賞した仲野は「知識や情報だけで人の痛みなどわかるはずがない。この映画に少しでも興味を持った人がいるのなら、迷わずに見てほしい」とつづり、森は「この映画は告発であると同時に希望も示す。一人でも多くの人に観てもらいたい。そして声をあげてほしい」と呼びかける。有働は「2018年夏私はイスラエル兵から銃口を向けられた。立ち退きを迫られたパレスチナ側で撮影していた。それだけの理由で。この映像に映る全てをしっかり受け止めたい」と語った。そのほか
「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」は、2025年2月21日より東京・TOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋ほか全国で公開される。
仲野太賀(俳優)コメント
知識や情報だけで人の痛みなどわかるはずがない。この映画に少しでも興味を持った人がいるのなら、迷わずに見てほしい。
パレスチナの現状を決死の覚悟で届けようとした、命懸けの記録をどうか心に留めてほしい。
奈良美智(美術作家)コメント
当たり前だがリハーサルも撮り直しも無いドキュメンタリーだ。スクリーンに映し出されるのは、常に直面する余地の無い選択の数々と厳しい現実。観る者の心に葛藤や希望が乱雑に入り込んできて息が苦しくなるだろう。しかし、それは彼らの「故郷」における現実に違いないのだ。
有働由美子(アナウンサー)コメント
2018年夏私はイスラエル兵から銃口を向けられた。立ち退きを迫られたパレスチナ側で撮影していた。それだけの理由で。この映像に映る全てをしっかり受け止めたい。
空音央(映画監督)コメント
映画は教えてくれる。イスラエルの暴力の本質は占領だ。私達も無関係ではない。実際、私達の年金もイスラエルに投資されている。怒りを感じたら行動しよう。映画でバーセルが言う「水1滴ではダメでもしずくが続けば変わる」私達もしずくになろう。パレスチナが解放されるまで。
岩井俊二(映画監督)コメント
住居を破壊し、井戸にセメントを流し込む入植者達の理不尽。
観る側にも相当な苦痛を強いる。だからこそ観るべき映画だ。
森達也(映画監督)コメント
理不尽で無慈悲な虐殺や戦争はガザだけではない。パレスチナの民の受難と絶望。僕たちは目撃し続けている。それなのに状況はもう何十年も変わらない。この映画は告発であると同時に希望も示す。一人でも多くの人に観てもらいたい。そして声をあげてほしい。
想田和弘(映像作家)コメント
余計な装飾や解説を排した、無骨ともいえる生の映像。
そこに映し出された、パレスチナのあまりにも過酷な現実。
あの「10月7日」以前にして、このありさまだ。
何とかしなくてはいけない。
しかしいったい何ができるのか。
パレスチナ人とイスラエル人の映画作家の間に芽生えた友情と理解と信頼だけが、一筋の光のように思える。
奇妙礼太郎(ミュージシャン)コメント
僕は彼らをあっという間に忘れて暮らす。
そういう残酷さがこの映画のすぐそばにある。
そこから先を委ねられている。
安田菜津紀(メディア NPO Dialogue for People 副代表 / フォトジャーナリスト)コメント
パレスチナの人々の土地を、尊厳を、そして命を、根こそぎ奪い去る、占領の不条理が、この映画に凝縮されている。
これを民族浄化と呼ばず、なんと呼べるだろう。そして、問われる。この悲鳴に、無視を決め込む世界でいいのか──。
金平茂紀(ジャーナリスト)コメント
イスラエル軍のブルドーザーが人々の営みを容赦なく破壊していく。ここまで人間は非道になれるのか。と同時に、それに抗う彼我の友情がある。私たちはただの観客か? 黙っていていいはずはない。
増田ユリヤ(ジャーナリスト)コメント
パレスチナとイスラエルの和平は実現不可能なのか。幾度となく潰えた希望を、今だからこそバーセルとユヴァルの友情に託したい。
ISO(ライター)コメント
報道で見かける「占領」という言葉の向こうに存在する、生存権を剥奪される人々の姿を知る。その第一歩のための命懸けの襷。エンドロールの先で、更に悪化する占領と虐殺に世界はどのような態度を取るのか。監督たちの眼差しはこちら側に向けられている。どうか、知ってほしい。
町山智浩(映画評論家)コメント
ヨルダン川西岸で暮らすパレスチナの人々の家を破壊するイスラエル軍。子どもが泣こうと容赦せず、抵抗する者を銃撃する。あまりに絶望的な状況を撮り続ける監督とユダヤ人ジャーナリストの友情に小さな希望が。
映画ナタリー @eiga_natalie
「ノー・アザー・ランド」本編映像解禁、仲野太賀・森達也ら著名人の応援コメント到着
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