2013年の韓国映画「テロ,ライブ」をもとにした本作は、ある理由から国民的ニュース番組「ショウタイム7」を降板させられた元人気キャスター・折本眞之輔が、交渉人として爆弾犯との生中継を強行するさまを描いたサスペンス。阿部が折本を演じ、「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の
この日の撮影は、7月中旬に「ショウタイム7」のセットが組まれた都内のスタジオで行われた。「ショウタイム7」は19時から放送される設定のニュース番組。スタジオは硬くなりすぎず、かつ高級感のあるイメージを目指したそうで、木目調の家具やステンドグラス、植物が配置されていた。さらに「ショウタイム7」の香盤表や番組ポスター、劇中のテレビ局からの掲示などが貼られ、番組の世界観が作り込まれている。
今回映画ナタリーが取材したのは、爆弾が仕掛けられた「ショウタイム7」のスタジオで、折本が犯人と通話しながら取り引きをするシーン。登場人物たちの緊迫感が伝わるようリアリティが重視され、犯人役のキャストは事前にセリフを録音するのではなく、撮影に合わせて別室で演技するという手法が採用された。台本の約7ページ分が長回しで撮影されるため、念入りなリハーサルが行われる。段取り中、阿部は渡辺に細かい動きを何度も確認し、セリフ1つひとつの温度感を擦り合わせていた。
「ショウタイム7」の現役キャスター・安積征哉役の
撮影の合間も、セットの裏で渡辺とコミュニケーションを重ねていた阿部。プロデューサーの井手陽子は「主人公の折本は犯人に振り回される役ですが、振り回されながらも折本自身が周囲の人々や視聴者を巻き込んでいく。阿部さんほどのパワーを持った方はなかなかいませんので、我々としてはベストキャスティングでした。とても真面目な方で、クランクインの1カ月前から監督を交えて脚本について話し合っていました」と阿部を起用した理由を明かす。本作は「ショウタイム7」の放送時間を映画でそのまま表現する“リアルタイム型”になっており、井手は「ある意味ライブのような企画なので、カットを細かく割って撮るよりは、緊張感を保つことができる長回しが多いんです。キャストは台本を全部頭に入れて舞台のように演じる必要がありますから、阿部さんにもプレッシャーがかかっていると思います」と語った。
井手は「安積は折本と正反対のキャラクター。2人がぶつかり合うシーンの撮影を見ていると、竜星さんは阿部さんに対峙することのできるエネルギーを持った存在だと改めて感じます。瞬発力がある方だと思っているので、今回はその力が発揮されていると思います」と竜星を称賛。また新人アナウンサー・結城千晴役の
もともと、原作にあたる「テロ,ライブ」が好きだったという井手。彼女は「原作をそのままリメイクするのではなく、コンセプトを生かし、日本ならではのテーマ性を盛り込んで映画化したいと企画をスタートさせました」と回想する。具体的には、「前半3分の1くらいまでは原作と一緒で、後半の流れはかなり違います。大きいところで言うと、原作は主人公がラジオ局のスタジオに閉じ込められる設定ですが、本作はテレビ局のスタジオが舞台。犯人も日本オリジナルのキャラクターになっています」と明かした。また井手は本作について「あくまでもエンタメとして楽しんでほしい」と述べ、「今はSNSが普及し、メディアの作り手と受け手の関係性は大きく変化しました。それぞれの存在は、影響を与え合い、よくも悪くも大きな力を生んでいます。この映画がそういうことを意識するきっかけになればいいなと思いますが、全然考えなくてもけっこうです(笑)。純粋に楽しんでいただけたら」と笑顔を見せた。
「ショウタイムセブン」は2月7日より全国でロードショー。
鮎 @11_aoaoao_03
犯人役のキャストは事前にセリフを録音するのではなく、撮影に合わせて別室で演技するという手法…!!!
すごい!
【制作現場レポート】阿部寛主演「ショウタイムセブン」リアリティを追求した緊迫感あふれる撮影に密着 https://t.co/BaMmp49Mwq