映画「
2020年公開の「佐々木、イン、マイマイン」では、俳優になるため上京したが鳴かず飛ばずの日々を送る青年・石井悠二と、彼の高校の同級生でカリスマ的な存在だった“佐々木”を中心に、青春のきらめきが描かれる。
染谷は、10月11日に公開を控える内山の監督最新作「
新型コロナウイルスによる感染症拡大の影響で、2020年当時は公開の可否について議論があったそう。内山は「2020年にはこういった機会(トークイベント)がほとんどなかったんです。自分の新作のタイミングで、観ていただける機会ができてありがたい」と心境を伝え、当時からこれまでを「自分のことを知ってもらった4年間でした」と表現する。さらに「『佐々木』は自分も“渦中”にいながら撮っていた感覚がありました。自分自身も対峙するのにエネルギーが必要だけど、活力がもらえる作品。気軽には観直せないんです(笑)」と思い入れたっぷりに語った。
続いて「若き見知らぬ者たち」の話題に。染谷は「新作に声をかけていただいたのは、自分の中では意外でした。内山くんの世界に、どういった形で入っていけるんだろう?という驚きとうれしさがあった」とオファーを受けたときの心境を振り返る。その言葉を受けて、内山は「まさか自分の作品に染谷将太が出るとは思わなかった」と笑い、「たくさんの時間を共有したわけではないけれど、知っている感覚や持っている気持ち、見てきた景色が似ている感じがしたんです」と親しみを込めて話す。彼らは染谷の出演が決まってから食事をともにしたそうで、染谷は「岳くんとうっちー(内山)が並んだときは、『“佐々木”の2人だ!』と思って。岳くんご本人は役とは全然違う性格で、そこがまた素敵なんですよね」と思い出話に花を咲かせた。
なお「若き見知らぬ者たち」は、自主映画「ヴァニタス」を経た2016年、「佐々木、イン、マイマイン」より前に着想した作品。物語作りは難航し、内山は「これでダメだったらやめる」との思いで一念発起して「佐々木、イン、マイマイン」を撮り、その後また「若き見知らぬ者たち」と向き合った。染谷は「『若き見知らぬ者たち』はリハーサルもテストもなく、ほぼぶっつけ本番だったので、シンプルにドキドキでした」「一度お芝居をやってみて、うっちーが何か言葉をかけてくれて、本番をやる。その流れが心地よかった。演じながらうっちーの言っていたことがわかる、という感覚がありました」と撮影時を回想した。
最後に染谷は「久々に『佐々木』を観て、もう一度『若き見知らぬ者たち』が観たくなりました。人が去っていって、残される者たちの話という点では近いけれど、まったく違う作品。素直にそう思えたので、お時間があれば新作も観ていただければ」と観客に呼びかける。内山は「僕は映画館がなければ今の人生がなかったと考えているので、映画鑑賞体験として残せるものを作りたいという思いでやっているんです。ハッピーでもズシンでも、映画館でぜひ観て何かを持ち帰っていただいたいです」とメッセージを送った。
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HAL ♂ @izorac
【イベントレポート】染谷将太「佐々木、イン、マイマイン」は衝撃的な体験、内山拓也「渦中にいながら撮った」 https://t.co/T1WqSnD15t