サバンナの王となる宿命を背負ったライオン・シンバの冒険を描いた1994年のディズニー長編アニメーション「ライオン・キング」。その前日譚となる「ライオン・キング:ムファサ」では、シンバの父にして、やがて偉大なる王に成長していくムファサの若き日の物語がつづられる。
シリーズ30周年を記念した舞台挨拶には、まず長編アニメや2019年の“超実写版”でムファサに声を当てた大和田が登壇。高い人気を誇るアニメ版の公開時を「当時はお子さんから『ムファサだ、シンバのお父さんだ』と言われたもんです」と懐かしみ、「キャラクターがとても魅力的で。あれから30年間、私の家の中は『ライオン・キング』のグッズであふれかえっております」と笑みをこぼした。
当時の吹替オファーも振り返り、「ムファサは優しさや包容力に満ちあふれている役。ムファサが発する言葉を自分の息子たちや周りの子供たちに聞かせてあげたいと思い、お引き受けいたしました」と話す。ムファサがシンバに「星を見よ。過ぎ去りし偉大な王たちが我らを見守っていてくれる」と語りかけるシーンがお気に入りだそうで、大和田は特別にムファサの声色でセリフを披露した。
続いて本イベントで解禁となった「ライオン・キング:ムファサ」吹替版予告の上映に続き、右近が壇上へ。大和田は「凛とした男らしさ、優しさを兼ね備えている方がいいと思っていました。右近さんと聞いて大喜びでございました」と期待を寄せる。
劇団四季出身である大和田だが、実はこれまでの映画にムファサが歌うシーンがなかったのが心残りだそう。新作ではムファサも歌うシーンがあると聞き、「うらやましいね。いいねえ。せっかくだから……披露してくれる?」と無茶ぶり。右近は「そんな無茶ぶりありますか? “ムファぶり”です」と驚きながら、シリーズを象徴する楽曲「サークル・オブ・ライフ」をアカペラで披露した。冒頭のズールー語の雄叫びから、ミュージカルさながらの迫力で一気に歌い上げ、大和田も「想像以上。いや、これ本編でもそのままいけるんじゃないの?」と絶賛。客席からも拍手喝采と歓声が湧き上がった。
さらに大和田は「これで安心しました。安心して託すことができます。“ムファサ愛”をつないでください」と感心しきりで、右近も「しかと受け止めました」と気骨を見せる。続いて大和田は吹替台本とムファサのぬいぐるみを右近に手渡し、これから行われる本編の吹替収録の成功を願った。
最後に、右近は「ムファサは孤児だったところから王になっていく、一世一代の伝統の創始者。物語からは“受け継がれる”というメッセージも感じました。大和田さんという先輩のお言葉をいただいて、その魂を受け継いで、自分なりのムファサを作り上げていきたい。そのスタートを切るに当たっての、とても忘れがたい、とびきりの1日になりました。武者震いする思いです」と話し、舞台挨拶を終えた。
「ムーンライト」のバリー・ジェンキンスが監督を務めた「ライオン・キング:ムファサ」は12月20日に全国で公開。現在、吹替版の予告はYouTubeで公開されている。
ティグレ @Masked_Tigre
「ライオン・キング」新作、主人公ムファサの吹替は尾上右近!大和田伸也の前で武者震い https://t.co/iD2rD1VVtS