第96回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した映画「20 Days in Mariupol」が、「
2022年2月、ロシアがウクライナ東部のマウリポリに侵攻を開始。本作は、AP通信の取材班が戦火にさらされ孤立していく人々の惨状を命懸けで撮影し、決死の脱出の末に世界へと発信した記録映像をもとに製作された。監督を務めたジャーナリストのムスティスラフ・チェルノフは、アカデミー賞の授賞式で「おそらく私はこの壇上で、この映画が作られなければよかった、などと言う最初の監督になるだろう。このオスカー像を、ロシアがウクライナを攻撃しない、私たちの街を占領しない姿と交換できれば、と願っています」と発言している。
YouTubeで公開中の映像には、ロシア軍の印である“Z”が刻まれた戦車が街中を走る様子や、爆撃投下を知らせるサイレンにおびえながら地下に避難する市民の姿などが映し出される。チェルノフの「この光景を必死に忘れようとしても、けっして忘れることはできない」という言葉も収められた。ポスタービジュアルには、ほかのメディアが撤退したあとも真実を伝えるため最後まで現地に残り続けた記者の姿が捉えられている。
ドキュメンタリー映画「マリウポリの20日間」予告編
ムスティスラフ・チェルノフによる第96回アカデミー賞授賞式でのコメント
この作品はウクライナ映画史上初めてアカデミー賞を受賞しました。
しかし、おそらく私はこの壇上で、この映画が作られなければよかった、などと言う最初の監督になるだろう。
このオスカー像を、ロシアがウクライナを攻撃しない、私たちの街を占領しない姿と交換できれば、と願っています。
ロシアは私の同胞であるウクライナ人を何万人も殺している。私は、彼らがすべての人質たち、国を守るために戦うすべての兵士たち、刑務所にいるすべての民間人たちを解放することを願っています。
しかし、歴史を変えることはできません。過去を変えることもできません。私はあなた方に、世界でもっとも才能のあるあなた方に呼びかけます。私たちは、歴史を正しく記録し、真実を明らかにし、マリウポリの人々や、命を捧げた人々が決して忘れ去られないようにすることができます。
なぜなら、映画は記憶を形成し、記憶は歴史を形成するからです。
バグ・バズ @bug_buzz
名古屋の上映なし??!! https://t.co/seGNWAF8Y5