2023年邦画興収は1481億円、「スラダン」「コナン」が100億超え

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日本映画製作者連盟(映連)による新年記者発表会見が本日1月30日に東京のコートヤード・マリオット銀座東武ホテルで開催。2023年の年間興行収入は2214億8200万円という結果になった。

日本映画製作者連盟(映連)による新年記者発表会見の様子。左から高𣘺敏弘(松竹代表取締役社長)、松岡宏泰(東宝代表取締役社長)、島谷能成(東宝代表取締役会長)、吉村文雄(東映代表取締役社長)、夏野剛(KADOKAWA代表執行役社長CEO)。※高𣘺敏弘の高は、はしごだかが正式表記。

日本映画製作者連盟(映連)による新年記者発表会見の様子。左から高𣘺敏弘(松竹代表取締役社長)、松岡宏泰(東宝代表取締役社長)、島谷能成(東宝代表取締役会長)、吉村文雄(東映代表取締役社長)、夏野剛(KADOKAWA代表執行役社長CEO)。※高𣘺敏弘の高は、はしごだかが正式表記。

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島谷能成

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これは前年と比べ103.9%増で、2000年以降で5番目の記録。内訳は邦画が1481億円で前年比16億円増、洋画が733億円で前年比67億円増となっている。興行収入の構成比は邦画が66.9%、洋画が33.1%だ。2023年の邦画の興行収入は、統計が始まった2000年以降、第2位の記録となり、1位とは4億円ほどの差しかない結果となっている。実写とアニメの比率を見ると、邦画はそれぞれ実写が47%、アニメが53%、洋画は実写が63%、アニメが37%となり、トータルで見ると実写が52%、アニメが48%という結果に。映連の代表理事を務める島谷能成(東宝代表取締役会長)は「(年間興行収入は)2200億円台に回復し、ほぼコロナ前の水準に戻ったと考えております」と語った。

2023年の公開本数は、邦画が前年より42本増の676本、洋画が前年より47本増の556本で合計1232本。これは2019年に次いで、2位の公開本数だ。邦画の興行収入10億円以上の番組は前年より8本増えた計34本で、合計興行収入は1139億円となった。「THE FIRST SLAM DUNK」「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」「君たちはどう生きるか」「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」「劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD」といったアニメ作品が上位10本のうち6本を占めている。

洋画を見ると、興行収入10億円以上の番組は前年と同じく15本で、興行収入の合計は483億円。493億円だった前年と比べると、10億円の減となった。邦画と洋画を合わせて10億円以上の番組の興行収入は、合計で1622億円。前年の1531億円から約90億円の増となっている。興行収入100億円以上の作品は「THE FIRST SLAM DUNK」「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の3本となり、100億円以上の作品が3本以上となるのは6回目。すべてがアニメ作品となるのは史上初のことだ。

平均入場料金は前年より22円上がり、1424円に。島谷は「昨年の6月ぐらいから、各社それぞれの考え方で料金の改定を行なっております。一般料金を2000円にした劇場が多かったため、その影響で単価が上がったと思われます」と言及する。入場人員は1億5553万人となり、前年より353万人増加した。スクリーン数は2年ぶりに増加し、合計で3653スクリーンに。これは2000年以降の最多を更新した形となる。

イベント中には「劇映画のビデオソフトによる販売と劇映画鑑賞人口推定」も発表に。メーカー売上は463億円で前年比82.4%、小売店舗売上が667億円で前年比81.8%、映画鑑賞人口(ソフトで劇映画を鑑賞した人口)は7362万人で前年比70.5%となっており、島谷は「配信への流れがますます進んだ結果、前年比を落としていると考えられます」と述べた。

松岡宏泰

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そして日本映画製作者連盟の加盟会社とそのグループ会社(松竹、東宝、東映、東映アニメーション、KADOKAWA)の映画輸出実績は4億8332万ドルとなり、前年比の113%増に。11年連続の右肩上がりで、輸出額の記録を更新している。「ゴジラ-1.0」が日本のみならず、北米でもヒットしていることに触れ「その要因は?」と質問が飛ぶと、松岡宏泰(東宝代表取締役社長)は「正直、こんなにヒットするとは誰も思ってなかった」と率直に述べ、「まず『映画がよかった』とたくさん称賛の声をいただいています。ゴジラは世界的に非常に認知度が高く、ギネスブックに世界で一番長く続いているフランチャイズ映画として認定もされている。またストライキなどの影響で、対抗馬がいなかったんじゃないかということも考えられます」と述懐。そして「数年前から11月3日のゴジラの日には、アメリカでも『ゴジラ』の旧作を特別上映していました。そこでゴジラのファンがこれだけいるんだという手応えがあったんです」と振り返り、「2016年、17年ぐらいにゴジラの権利を全世界で買い戻しました。そうすることにより、ゴジラファンがどこにいて、どう宣伝すればよいか?を我々が把握していたことは、メリットとしてあった。ただ正直、ビギナーズラックというところもあったと思います」と語った。なお2023年の東宝グループ全体の興行収入は1055億6200万円となり、初めて1000億円を超える結果になっている。

2023年興行収入10億円以上番組

邦画

1.「THE FIRST SLAM DUNK」158.7億円(東映)
2.「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」138.8億円(東宝)
3.「君たちはどう生きるか」88.4億円(東宝)※
4.「キングダム 運命の炎」56.0億円(東宝 / SPE)
5.「ゴジラ-1.0」55.9億円(東宝)※
6.「ミステリと言う勿れ」48億円(東宝)
7.「劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~」45.3億円(東宝)
8.「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」43.5億円(東宝)
9.「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」41.6億円(東宝 / アニプレックス)
10.「劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD」29.2億円(バンダイナムコフィルムワークス / バンダイナムコオンライン / 東映)※
11.「わたしの幸せな結婚」28億円(東宝)
12.「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-」27.1億円(WB)
13.「ラーゲリより愛を込めて」26.7億円(東宝)
14.「レジェンド&バタフライ」24.7億円(東映)
14.「しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 ~とべとべ手巻き寿司~」24.7億円(東宝)
14.「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」24.7億円(東映)※
17.「Dr.コトー診療所」24.4億円(東宝)
18.「シン・仮面ライダー」23.4億円(東映)
18.「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-」23.4億円(WB)
20.「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」23.3億円(東映)※
21.「怪物」21.5億円(東宝 / GAGA)
22.「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」17.9億円(アスミック・エース / J SPORTS)
23.「映画プリキュアオールスターズF」14.6億円(東映)※
24.「沈黙の戦艦」13.7億円(東宝)
25.「月の満ち欠け」13億円(松竹)
25.「BLUE GIANT」13億円(東宝ライツ事業部)
27.「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」12.5億円(アスミック・エース)
28.「アナログ」12.2億円(東宝 / アスミック・エース)
29.「」11.6億円(東宝 / KADOKAWA)※
30.「こんにちは、母さん」11.1億円(松竹)※
31.「かがみの孤城」10.9億円(松竹)
32.「映画 イチケイのカラス」10.8億円(東宝)
33.「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」10.6億円(アニプレックス)
34.「なのに、千輝くんが甘すぎる。」10.1億円(松竹)

洋画

1.「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」140億円(東宝東和)
2.「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」54.3億円(東和ピクチャーズ)
3.「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」43.1億円(WDS)
4.「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」38.3億円(東宝東和)
5.「リトル・マーメイド」34億円(WDS)
6.「マイ・エレメント」27億円(WDS)
7.「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」26億円(WDS)
8.「BTS: Yet To Come in Cinemas」25.6億円(エイベックス・ピクチャーズ)
9.「ホーンテッドマンション」21.7億円(WDS)
10.「MEG ザ・モンスターズ2」14.6億円(WB)
11.「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」13.2億円(WDS)
12.「トランスフォーマー/ビースト覚醒」12.9億円(東和ピクチャーズ)
13.「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」11.1億円(SPE)
14.「タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター」10.9億円(WDS)
15.「ジョン・ウィック:コンセクエンス」10.4億円(ポニーキャニオン)

※「※」印は現在上映中

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