エメット・ティル殺害事件をもとにした映画「
1955年8月28日にアメリカで起きた同事件は、アフリカ系アメリカ人による公民権運動を大きく前進させるきっかけとして知られる。映画「ティル」の主人公は空軍唯一の黒人女性職員メイミー・ティル。夫が戦死して以来、14歳の一人息子エメットと平穏な日々を送っていたが、エメットがミシシッピ州マネーの親戚宅を訪れた際に悲劇が起きる。白人女性に向けて“口笛を吹いた”ことで白人の怒りを買ったエメットは、壮絶なリンチを受けた末に殺され、川に投げ捨てられた。変わり果てた息子と対面したメイミーは、この陰惨な事件を世に知らしめるため、ある大胆な行動に出る。
主人公メイミーを演じ、ゴッサム・インディペンデント映画賞など数々の映画賞で評価されたデッドワイラー。インタビューでは、極めて男性中心であった当時のアメリカ社会で、愛する息子と正義のために奔走したメイミーについて「人生を通じて目まぐるしい内面の変化を遂げ、最終的には他の人々を動かす存在となります」と語る。
SNSが普及されていない時代に、息子の理不尽な死を共有するためメイミーが決断した「遺体を世界に公開する」というメディア戦略については「“困難”なんて言葉じゃ軽すぎますが、彼女が耐え抜いた苦しみを十分に表す言葉はありません。彼女の気持ちを理解できるのは、警察の暴力や差別による攻撃で、子を亡くした黒人の母親だけです」「息子の物語を伝えてもらう1つの方法として、皆に遺体を見せたんです」と言及。本作の制作に奔走し、メイミーの母親役で出演した
映画「ティル」ダニエル・デッドワイラー インタビュー映像
関連記事
ダニエル・デッドワイラーの映画作品
リンク
穴の空いたサンドバッグ @yabuziro
変わり果てた息子の姿を世界中に公開…「ティル」主人公の決断とは、主演女優が語る #SmartNews https://t.co/D5mwsWLtll