京都を舞台とした本作の主人公は、大阪で働く27歳の大宮俊也。美大出身の彼は、仕事に大きな不満があるわけではないものの、会社と家を往復するだけの生活で“毎日の明り”を見失っていた。そんなある日、京都でアンティークショップを営む従姉の佐紀を尋ねることに。俊也は京都の自然や知られざる一面に触れる中で、人生のやりたいことを見つけていく。正門が俊也を演じ、彼に影響を与える従姉の佐紀に蓮佛、佐紀の友人で家具職人の奈緒に安藤が扮した。
本作はドラマパートに加え、キャストが京都の店舗を実際に訪問する姿などを捉えたドキュメンタリーパートで構成。正門が俊也としてリアルに店主らと会話し、その中で俊也の心情変化を表現している。ドラマ「名建築で昼食を」「ちょこっと京都に住んでみた。」などで知られるスタッフが制作を担当した。
正門は「ドキュメンタリーの要素が少し入っているドラマなので、最初は撮影しながら『これで合ってんのかな?』って戸惑うこともあったんですけど、監督から『普通にしてるのがいい』と言っていただいて、京都の町の情報を俊也のリアクションとして素直に出せたというか。撮影が進むうちに『こういうことなんかな』というのがちょっとずつわかってきた気がします」と振り返り、「師走の時期に放送されるのでみんなバタバタしてるかもしれないですけど、ほっと一息つけるようなドラマになったらいいし、もし俊也みたいに何か今、もやっとしていたりするなら、その背中を押せるような作品になったらうれしいです」と期待を込めた。蓮佛と安藤のコメントは下部の通り。
ドラマ「京都のお引越し」は23時04分よりオンエア。放送終了後、TVerで見逃し配信される。横幕智裕が脚本を手がけ、吉見拓真が監督を務めた。
スペシャルドラマ「京都のお引越し」
ABCテレビ 2023年12月29日(金)23:04~
※TVerで見逃し配信あり
正門良規 コメント
ドキュメンタリーの要素が少し入っているドラマなので、最初は撮影しながら「これで合ってんのかな?」って戸惑うこともあったんですけど、監督から「普通にしてるのがいい」と言っていただいて、京都の町の情報を俊也のリアクションとして素直に出せたというか。撮影が進むうちに「こういうことなんかな」というのがちょっとずつわかってきた気がします。
蓮佛さんとは初共演なんですが、一番最初に撮影した骨董品の写真を撮るっていうシーンのやりとりが楽しくて、あの瞬間に「僕、一生喋れるかも」って思いました。あと実は、蓮佛さんにはバレないよう普段の会話からタメ口を入れてたんです(笑)。それが何かに出てくるかなあと思って。
師走の時期に放送されるのでみんなバタバタしてるかもしれないですけど、ほっと一息つけるようなドラマになったらいいし、もし俊也みたいに何か今、もやっとしていたりするなら、その背中を押せるような作品になったらうれしいです。きっと感じることがあると思うので、お好きな感じで見て浸ってほしいですね。
蓮佛美沙子 コメント
私は元々京都が大好きだったので、今回の撮影はご褒美みたいな感じでした(笑)。撮影場所もいわゆる観光地ではなく、住宅地とか生活圏の中に突然お店があるみたいなところだったので、空気から何からやっぱり違いました。京都は永遠に散策したくなる、知りたくなる町という印象がさらに強くなりましたね。
撮影で伺ったボタンの専門店でも、オーナーの方とお話させてもらうと「好きっていうエネルギーで生きてる人ってこんなにキラキラしてるんだな」と感じましたし、そういう人が京都にはすごく多いのかなって。それが独特の京都らしさみたいなものに繋がってるのかなと今回改めて強く思いました。
この撮影が始まって衝撃だったのが、段取りをやらないし、現場に着いたらすぐにカメラを回しちゃうという撮影スタイル。「もう回すんですか!?」みたいな(笑)。でもそれがすごく新鮮で面白かったです。正門くんも、セリフの間にすごいアドリブを入れてくる(笑)。
正門くんの印象は、すごく自然体な方。そんなに一生懸命会話をしなくても、従姉としての空気にすっと入れた感じがありました。背伸びもしてないし、いい意味で力が入ってない感じがドラマの空気感にも出てるんじゃないかなと思います。
ドラマの印象は、生きてることがそのままダイレクトに肌で伝わる作品になっているのかな。日々バタバタ生きていく中でちょっと忘れがちな、「私って何が好きなんだっけ」、「どうやって生きていきたいんだっけ」みたいな部分にも立ち返れるドラマです。こたつでみかんを食べながらだったり、ちょっとリラックスして見ていただけたらと思います。
安藤玉恵 コメント
この作品にはとても縁を感じています。とある撮影で京都に滞在している時があり、オフの日に比叡山に山登りをしてから、銭湯へ行ったんです。翌日に「京都のお引越し」のオファーをいただいて台本を読んだら、“山と森が好きで銭湯に行くのが趣味”の役で(笑)。「私のこと???」と嬉しくなりました。
奈緒は古い家具を直している家具職人の役。監督から「モデルになっている方が直した家具を置いているお店があるので行ってみてください」と言われて、お客さんとしてお店へ行ってみたんです。何気ない会話を交わしたり、特別なことはしていないんですけど、お店の方が家具を触るときの感じや、物を大切にする丁寧さが参考になりました。そういったところを生かしたいと思っています。
監督は「初めて見たものに対するリアクションを大切にしたい」「台本通りに言わなくていい」ともおっしゃっているので、役を突き詰めて考えすぎない方がいいのかなと思って臨みました。
「宝ヶ池」のような場所があることが、奈緒が京都に住むことを決めた理由の一つ。池の周りを歩いていたら、紅葉が進んでいて美しくて、小さい子がいっぱい遊んでいて、すごくいいところでした。奈緒が好きになった場所を、私も本当に素敵と感じることができました。画面にうつる清々しい表情は本物です。
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