映画「
元SDN48の大木による私小説を映画化した本作では、元アイドルのアラサー女子・安希子と56歳のサラリーマン・ササポンの奇妙な共同生活が描かれる。深川が安希子、井浦がササポンを演じた。
深川は「安希子とは元アイドルで今はセカンドキャリアを歩んでいるという点で共通点があり、共感できることがたくさんありました。ササポンの言葉は、私にとって刺さるものが多かったです」と述懐。井浦は「何かを突きつけるというよりも、寄り添える作品だと思います。ポップコーンを食べながら観るのが合う優しい作品です」と口にする。
安希子の友人・ヒカリと景子役でそれぞれ出演した松浦と柳。印象的だったセリフを問われると松浦は「『ハワイ行きたいレベルのカジュアルさで死にたいって言うな』というセリフが大好きです。ヒカリらしいし、安希子との関係性を物語っている」と回答する。柳は「景子が結婚の決め手について話すシーンの、『幸せになれるっていうより、不幸になっても2人ならなんとかなるかなと思って』というセリフに打ちのめされました。恋愛だけじゃなくお仕事でも、そんな人と出会いたい」と笑顔を見せた。
穐山は安希子について「“元アイドル”という特殊な人ではなく、親近感が湧くようなキャラクターが壁にぶつかったときにどう動くかという部分を丁寧に描きたいと思いました」と説明する。大木は「劇中で安希子が『残高10万円』と歌っていますが、実際は残高3万円でした(笑)」とエピソードを披露。さらに大木は「主演の深川さんのお芝居を拝見したとき、他人には思えませんでした。自分の分身のようでした。かっこつけずに安希子をチャーミングに演じてくれた」と称賛し、「この作品を観た人に、明日からもがんばってみるかと思ってもらえたら、原作者として役目を終えられたかなと思っています」と言葉をつないだ。
イベントでは、キャリアチェンジをした際の苦労に関する質問が。深川は「(乃木坂46からの)卒業を決めたときは勢いもあったのですが、その後はいろんな壁にぶつかりました。個人として勝負していかなければならないときに、自分には技量がないので俳優さんと同じ土俵に立つことが恥ずかしくて。どうしていったらいいのか悩みましたね」と打ち明ける。また井浦は「“アラポン”的には……」と切り出し「好きなことをひたすら信じて続けていると、誰かが見つけてくれたりする。好きなことを続けることは力になると思います」と語った。
深川は井浦について「アラポンは……井浦さんは知識が幅広く大学の先生みたいです。健康や、お米の話をいっぱい教えてもらいました。酵素玄米とかファスティングとか教えていただきました」と振り返る。最後に彼女は「生きていると、理不尽なことや嫌なこともありますが、本作が身近にある幸せを見つめるきっかけになったらうれしいなと思います。劇中でササポンが言う“適当に”という言葉がいいなと思ったので、適当にがんばっていきましょう!」と観客に呼びかけ、イベントを締めた。
「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」は全国で公開中。
映画「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」予告編
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