映画「
本作は、女優を辞め東京から生まれ故郷のある九州に移住しようと福岡にやってきた小山田響子を主人公とするシスターフッド映画。生き別れた異母姉妹が手を取り合って自らの力で居場所を切り開いていくさまが描かれる。松井が響子、岡崎が異母妹・本橋菜穂子、倉島がもう1人の異母妹・小暮杏奈を演じた。
夏都は「1枚の葉っぱには葉脈がある。血のつながりや人間関係が広がっていく模様を1つの映画にした作品です」と説明し、「主人公の心の動きなど複雑な作品なんですけれど、松井玲奈さんはご自身で小説も書いていらっしゃるので、響子の心の動きに寄り添ってくださると思ってオファーしました」と述懐。そして「響子って浮遊感がある存在。職探しをしていますし、どこにも属していないフリーター。現代人の成れの果てのような、ゴースト的なキャラクターを意識して作りました」と語る。そんな響子を演じた松井は、当初上映時間4時間にも及ぶ脚本を受け取ったそうで「夏都さんが描きたいものがここに詰まっているんだと。ただただその情熱を感じながらページをめくっていました」と回想した。
異母姉の響子とつながりたいと、姉をストーカーする強烈なキャラクターを演じた岡崎。「今までにない役をいただいたので、本当に挑戦だなと思いました」「悩みながら演じさせていただいたんですけれど、そのたびに監督にお話をさせていただいて。皆さんにもすごく支えていただきました」と振り返り、初共演となった松井について「初めてお会いしたときから透明感にあふれているというか、神秘的な存在なんです。ミステリアスな部分があって、楽しくお話ししているんですけど、その奥深くに何があるんだろうと探りたくなるような方です。菜穂子の気持ちがわかるというか、憧れの存在でした」と述べ、松井を照れさせた。
施設に預けられ、8年前から叔母と暮らしている杏奈に扮した倉島は「境遇という点では、あまり共通点はなかったと思いますが、内面的には共感するところが多かったです。監督が杏奈のキャラクターをまとめた資料をくださったんですけれど、そこに人に素直に感情を出すのが苦手という一言があって。すごく共感しました」と言及する。そんな倉島に関して松井は「2人で撮影しているときに、倉島さんのまぶたにでっかい虫が止まったんです。でも芝居をやめないんですよ。すごいなと思って。倉島さんもすごいと思ったし、カットをかけない監督もすごいと思ったんです! 『本当に使うの? 大丈夫?』とパニックになっていたんですけれど、カットがかかるまでずっと我慢をしてお芝居を続けていて、その集中力が素晴らしいなと思いました」とたたえた。
最後に夏都は「女性たちが手を取り合って、何か壁を壊して次のステージに行こうとする姿を観ていただいて、性差によって障壁の生まれない社会の実現につながればと思って作りました」とコメント。松井は、「この作品は人と人とのつながりを描いた作品です。私たち3人がどのように関わり合っていくのか、1つひとつのシーンでそれぞれがどんな思いでいるのか、考えながら観ていただけたらうれしいです」と語りかけた。
「緑のざわめき」は公開中。
松井玲奈の映画作品
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「緑のざわめき」松井玲奈をストーカーする妹演じた岡崎紗絵「役の気持ちがわかる」 - 映画ナタリー
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