「沈黙の艦隊」大沢たかおと玉木宏が緊迫した声のやり取り回想、かわぐちかいじも絶賛

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映画「沈黙の艦隊」の完成報告会が本日8月24日に東京のグランドハイアット東京で開催。キャストの大沢たかお玉木宏ユースケ・サンタマリア中村蒼中村倫也水川あさみ夏川結衣江口洋介、監督の吉野耕平、原作者のかわぐちかいじが登壇した。

映画「沈黙の艦隊」完成報告会の様子。左から江口洋介、大沢たかお、玉木宏。

映画「沈黙の艦隊」完成報告会の様子。左から江口洋介、大沢たかお、玉木宏。

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かわぐちの同名マンガを実写化した「沈黙の艦隊」では、日本初の原子力潜水艦シーバットの艦長に任命された海江田四郎が、理想とする世界の実現へ向けて、乗員76人を伴い逃亡を図る姿が描かれる。大沢が海江田を演じた。

大沢たかお(手前)

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まず製作スタジオAmazon Studiosのダナエ・コキノスが「世界的人気があり、実写化不可能と言われたマンガの実写映画化に携われて光栄です。責任も感じていましたが、スタッフ・キャストすべての方のおかげで大変素晴らしい作品になりました」「防衛省、海上自衛隊の皆様にも感謝します。壮大なスケールにできたのは、彼らのおかげです」と挨拶。本作のプロデューサーでもある大沢は「企画立ち上げ時に松橋真三プロデューサーから声を掛けられました。原作を知っている人から見れば、実写化はとてもハードルの高いものです。核問題というタブーに切り込むこと、そして防衛省・海上自衛隊の協力を得ることができるのかが課題でした」と振り返りつつ、「実現が難しいのかなと思いながらも、時間をかけて1つひとつ進めました。防衛省・海上自衛隊の皆さんには『今だからこそいいんじゃないか。今なら協力できる』と快い言葉をいただいて。僕のプロデューサーとしての仕事はそこにたどり着くところまでで、あとは俳優として仕事をしていきました。ここまで長い道のりでしたが、スタートラインに立ってワクワクドキドキしています」と顔を輝かせた。

吉野耕平(奥)

吉野耕平(奥)[拡大]

かわぐちかいじ

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吉野は「潜水艦は窓が1つもなく、周りは真っ暗というかなり特殊な空間。映画作りでは非常に悩みましたが、キャストの熱いエネルギーと、『これを形にしたい』と思ってくれた美術・CGスタッフたちによって公開まで結び付けることができました」とコメント。かわぐちは「マンガも映画も、登場人物が“生きて”いないと、その世界はただの嘘八百になってしまいます。劇中の海江田艦長を見たとき、彼が生きていると感じました。海江田艦長は物語を引っ張る力があるので、周りの登場人物たちも生き生きしていました」と絶賛し、「本物の潜水艦の力、圧力をひしひしと映画で感じました。原作にはいろんな要素が散らばっていますが、そういった枝葉を削ぎ落とし、テーマにピシッと焦点を合わせて演出した監督の力にも感動しました。自分の原作の面白さを再確認させていただけたという気持ちでいっぱいです」と深い感謝を伝える。

玉木宏(手前)

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大沢は海江田という人物について「シンプルに言えば、自衛隊に反旗を翻し、理想を求めて走り出すテロリストです。原作の海江田は凛々しくて骨っぽい顔なのですが、僕は真逆で……。でも自分なりの解釈を入れながらやらせていただいた」と語り、「海江田だけでなく、彼の周りの人々も主人公です。海江田が巻き起こす事件によって周りが成長していくさまを描いた、バタフライエフェクトのような作品」と解説した。海江田のライバル・深町役の玉木とは「乗っている潜水艦が違うので、1日しか一緒にできていない」そうだが、「声だけでご一緒するシーンがあって、通常は代役のスタッフや録音で対応するんですが、玉木くんに呼び出されて……」と言ってニヤリ。続けて大沢が「(深町の乗る)たつなみの皆さんが集中していて、本当に潜水艦乗りのような顔つきでした」と言うと、玉木は「お願いをしたわけではないのですが(笑)、わざわざ来てくださって付き合ってくれました。生でお芝居を合わせていただくと、非常に緊迫感が上がる。それが画にも表れたと思います」と回想した。

中村蒼

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水川あさみ

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海江田率いる潜水艦シーバットの副長・山中役の中村蒼は「現場は素晴らしかったです。シーバットは最先端の潜水艦ですが、それを生かすも殺すも人間次第。そこで際立つのが海江田さんのすごさです。彼に魅了されて山中たちが潜水艦に乗り込んだように、現場では少しでも大沢さんに近付きたいという気持ちがありました」と述べ、潜水艦たつなみの副長・速水役の水川は「原作の速水は男性ですが、映画では女性です。実際の艦隊にも女性が増えてきていると伺い、副艦長として女性が活躍するということ、そして彼女の覚悟・葛藤をしっかり感じながら演じようと思いました」と役への姿勢を示す。

笑いをこらえる水川あさみ(左)、冗談を飛ばすユースケ・サンタマリア(右)。

笑いをこらえる水川あさみ(左)、冗談を飛ばすユースケ・サンタマリア(右)。[拡大]

中村倫也(奥)

中村倫也(奥)[拡大]

海自一の“ソナーマン”である南波役のユースケは「オファーをもらって、Amazon Studiosわかってるー!と思いました」と言って笑いを起こし「マンガは読んでましたが、まさか自分が実写化に関わるとは。いろんな映画でソナーマンを見ていたからか、なんとなくなじみがあって『やれる』と思って演じました」と自信ありげ。潜水艦ゆうなみの隊員・入江に扮した中村倫也は「入江はほかの人物たちに影響を与える、ある種のキーパーソンです。吉野監督とは3回目ですが、どんどん現場での存在感と説得力が増していっているのを感じました。現場では『緊張している、悩んでいる』と言っていましたが。でも映画を観て、こんなに人・物・音の説得力や圧力を出せるなんてすごいと思わされました」「鳥肌が立ちましたよ」と褒めちぎる。

江口洋介(手前)

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夏川結衣

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そして内閣官房長官・海原役の江口は「僕の役は、国民の揺れ動く目線を反映するような存在。海江田が起こすテロのディフェンダーです」、防衛大臣・曽根崎役の夏川は「閣僚のオファーは初めてでした。監督とは撮影初日に話し合いの時間をいただき、曽根崎の立場やほかの政治家との距離感などを説明してもらいました。この話し合いがとても的を射ていて、この監督となら一緒に楽しめそうと感じたんです」と話した。

最後に大沢は「原作は30年前のものですが、この映画は“今だからこそ”という作品です。2年くらい前から準備を始めて、いろんなご縁によって来月公開することができます。ロシア・ウクライナ問題や、悲劇的な潜水艦の事故といった作品にも関連するような出来事が起きて、複雑な思いもあります。なぜこのタイミングになったかというと、(何者かに)作れと言われているような気が。連載当時も問題作とされましたが、この映画も議論を巻き起こす問題作になると思う。ぜひ議論していただきたいです」とイベントを締めくくった。

「沈黙の艦隊」は9月29日より全国ロードショー。Amazon Studiosが日本で初めて製作した劇場映画で、東宝配給のもと封切られる。

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(c)かわぐちかいじ/講談社 (c)2023 Amazon Content Services LLC OR ITS

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