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門井慶喜の同名小説を実写化した本作は、詩人、童話作家として知られる宮沢賢治の生涯を父・政次郎の視点から描いた物語。役所が政次郎、菅田が賢治、森が賢治の妹トシを演じ、豊田は賢治の弟・清六、坂井は政次郎の妻イチ、田中は政次郎の父・喜助に扮した。
イベント冒頭では、イーハトーブ子ども合唱隊が賢治の作詞・作曲による「星めぐりの歌」を披露し、澄んだ歌声で観客を魅了。そして壇上にキャストと監督が勢ぞろいし、本作の印象的なシーンやセリフを語り合った。役所は「明治・大正・昭和と時代が変わる物語に合わせて、明かりも変化しています。最初のほうはランプの明かりだけなので暗いですが、とても美しい映像になりました。明かりの雰囲気が変わっていくのを楽しんでいただきたい」と呼びかける。すると菅田が「ランプがたくさん割れて大変だったんですよ。役所さんとのお芝居でヒートアップして、ランプにぶつかっては壊れて」と告白。「僕たちがけがするよりランプが壊れるのをスタッフは(心配していた)」と苦笑する役所に、菅田も「ランプは替えがきかないので」と冗談めかして大げさにうなずいた。
また菅田は「賢治の作品が朗読やモチーフといった形で劇中に出てくるんですけど、障子に電信柱の影が映る場面があるんです。(『月夜のでんしんばしら』の)『ドッテテドッテテ、ドッテテド』の電信柱。その一瞬のシルエットを見逃さないでください」とアピール。森は「ラストシーンが特に好き」と答え、「この映画を観た人にしか感じられない何かがあります。私自身も夢見心地で撮影していたので、ぜひ楽しみにしていてください。愛と夢であふれたシーンです」と語りかける。
豊田は、父・喜助から息子・政次郎に放つセリフが印象的だったと述懐。すると田中は役所との撮影に思いを馳せ、「僕が最初に撮影したのはベッドに横たわる役所さんとのシーン。役所さんが面白くて、自分のセリフを忘れるぐらい無我夢中で観察しました。一番の思い出です」と振り返る。そして「賢治のお父さんにもおじいさんにも子供の時代があった。みんな一生を過ごす中で、時間差を持ちながら家族の形になっていく。僕にとっては大事なスタートでした」と言葉に力を込める。役所は「まだ若い時代のシーンだったので、若作りしている泯さんを初めて見ました(笑)」とジョークを交えつつ、「子供も親も一緒に成長していく物語なので、泯さんとの病室のシーンはその始まりだったと思います」とほほえんだ。
岐阜県恵那市でロケが行われた本作。役作りのため食事制限をしていたという菅田は「皆さん、ロケ地で何を食べてました?」と尋ねる。役所は「差し入れにいただいた五平餅。ものすごくおいしかった。2本ぐらい食べたよ」と言って菅田をうらやましがらせ、「地元の方々がいろいろなものを作ってくださいましたね」と感謝。さらに坂井が「薄いかりんとうみたいなのもおいしかったですよね」と述べると、役所は「あれもおいしかったねえ!」と目を輝かせる。「僕は近くのスーパーでキャベツの千切りを買ったりしてました。これが仕事なんですよ」といじける菅田を、役所は「役者の鑑だね」と労った。
「銀河鉄道の父」は全国で上映中。
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