役所広司と
門井慶喜の同名小説を実写化した本作は、詩人、童話作家として知られる宮沢賢治の生涯を父・政次郎の視点から描いた物語。生活力がなく父に金を無心する“ダメ息子”は、病気になった妹トシを励ますために童話を書き、やがて文才に目覚めていく。役所が政次郎、菅田が賢治、森七菜がトシを演じている。
5月5日からの全国公開に先立ち、恵那市民、そして撮影に協力した人々への感謝を込めて行われた試写会。賢治に憧れる弟・清六に扮した豊田は、およそ1年ぶりの訪問に「恵那市に帰って来れてうれしいです! 清六、帰ってきました!」と呼びかける。本作が役者を始めて最初に決まった仕事だそうで「僕の中でもとても大切な作品です。皆さんに観ていただけるのがうれしい気持ちでいっぱいです」とコメント。成島も「成島、帰ってまいりました。映画の中で賢治が同じ挨拶をします。温かい応援の中で胸いっぱい、目はうるうるです。今日は楽しんでください」と話した。
恵那市をロケ地に選んだ理由を、成島は「江戸時代なら京都などで撮影ができるのですが、明治や大正はなかなか場所がない。全国を探して、ここ恵那で通りも家もお借りしました。ぜひこの景色は文化庁にお願いして50年100年と遺産として残してもらいたいです」と説明。恵那での撮影は計34日間行われ、延べ235人のエキストラが参加した。成島は「市民の皆さんも好意的で、エキストラとしてご協力もいただき、感謝申し上げます」と謝意を示し、恵那市観光協会の会長を務める阿部伸一郎が「成島監督が明治大正昭和の撮影ができる街並みや恵那市の皆さんの心に感動して『こんなロケ地はほかにない、日本のハリウッドだ』と絶賛してくださいました。『ロケ地と言えば、恵那』『ロケ地巡りと言えば、恵那』。今日は観光恵那の新たな船出です」と話す場面もあった。
豊田は、恵那での思い出を聞かれ「撮影中は僕と菅田さんが同じ坊主頭だったので、僕が歩いていると皆さんに『菅田くーん!』と声をかけられ、『豊田です』と返すというやりとりを100回ぐらいしました(笑)」と述懐。「最終的には豊田裕大を覚えてもらえたのでうれしかったです。ちなみに、監督も僕と菅田さんを何回も間違えていました」と笑い交じりに振り返る。
豊田を「清六と同じようにしっかり者で真面目」と評す成島は「宮沢家の皆さんにお話を聞くと、賢治はすぐどこかに行ってしまうから、清六が凧みたいに糸を持っていたと。清六が賢治の死後、まったく無名だった賢治の原稿を整理して、爆発的にヒットさせました。ゴッホも生前は絵が1枚も売れなかったことで有名ですが、彼も弟が支えていましたよね。自由な天才の兄としっかり者の弟という図式はよくあるのかもしれません。真面目で誠実な清六は、もともと誠実な豊田くんにぴったりですね」と語った。
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Rieko @r_jnknmsk
「菅田くーん!」と声をかけられ…豊田裕大が語る「銀河鉄道の父」ロケ地の思い出 https://t.co/quNlAs7L0o