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物語の詳細は伏せられており、本国フランスでは「家出をした女性の物語、のようだ」という紹介だけで封切られた本作。主人公のクラリスを「ファントム・スレッド」「オールド」の
アマルリックは原作との出会いについて「友人が舞台演劇を作りたがっていたが実現できず、ある夜、彼は1冊の本を僕にくれた。それがクロディーヌ・ガレアが2003年に書いた戯曲『Je reviens de loin』だったんだ。僕は電車の中でその本を読み始めた。気付いたら赤ん坊のように泣きじゃくっていた。そんなことは長い間なかった。ジャケットで顔を隠さないといけないくらいだった」と振り返る。
参考にした作品に関して「まずフランシス・フォード・コッポラの『雨のなかの女』がある。去る女。悲劇的でありながら生き生きとしたロードムービーだ。撮影監督のクリストフ・ボーカルヌに見せた唯一の映画なんだ」と述懐。そして「日本の心理的な幻想映画もたくさん観た」と述べ、「黒沢清監督、青山真治監督、濱口竜介監督らの映画にある死生観はヨーロッパにはないもので、彼らの映画を敬愛している」と伝えた。また「僕は自分でクラリスの演技を試してみた。何度もクラリスを演じて、自分に何が起こったかをヴィッキーにささやいた」と演出法を明かした。
さらに映像の中で彼は「信じるか信じないかわかりませんがこれは現実ではないものを観て聞く映画なのです」と言及している。
「彼女のいない部屋」は明日8月26日より東京・Bunkamura ル・シネマほか全国で順次ロードショー。
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これも音が重要な映画なのかな。-現実ではないものを観て聞く映画、マチュー・アマルリックが「彼女のいない部屋」語る(コメントあり / 動画あり) - 映画ナタリー https://t.co/xWd5QN3mxs