第22回TAMA NEW WAVEで特別賞を受賞した映画「
本作は、東京で生きるマアサとカイの恋愛と自由を描いた物語。喧嘩が絶えないながらも楽しく自由に暮らしていたマアサとカイは地元の友人アキと再会し、いずれ結婚するであろう彼と、自分たちの未来に思いを馳せる。撃ち合いごっこをしながら駆け抜ける夜の街、消えてしまった彼らの犬の墓。カイの知らないうちにマアサはほかの誰かと寝て、ダンスを覚える。不器用な愛をぶつけるカイと、それでも孤独を感じるマアサ。そしてあるとき、アキが失踪したという連絡が届く。
マアサを「3653の旅」の
二田絢乃 コメント
剥がれる、完成したものをみたときにそう感じました。人と深く関わると、温かい記憶が増えていくと共に、何かが剥がれ落ちていく感覚になる時があります。今まではそれを憎いと思っていました。でもこの映画をみたときに、剥がれ落ちた欠片を少しだけ愛おしいと感じることができました。
本格的に映画に出演したのは本作が初めてです。私が演じたマアサさんは、もしかしたらこの子は何がしたいのかよくわからない、と思われてしまうかもしれません。でも生きるエネルギーやあなたと一緒にいたいという気持ちはすごく強いです。
そのエネルギーの強さから生まれた何かが剥がれ落ちていく優しい音、を一緒に楽しんでいただけたら思います。
田中一平 コメント
今回の出演を通して感じたことがあります。人間に生まれてよかったなぁと。気の向くままに生きていいじゃないかと。最後に笑えればそれでいいんだと。「優しさのすべて」から学んだ教訓を活かしてこれからも頑張ります。
安達勇貴 コメント
50分という長いようで短い時間を、軽やかに駆け抜ける不器用な愛の物語です。あらゆる「重力」が私たちを取り巻く今だからこそ、時代に抗う恋の自由とその限界を描きたいと思いました。
深田晃司(映画監督)コメント
嘘をついている人が嘘をついているようにしか見えない映画が嫌いです。
さらに言えば嘘か真実かなんてことがそもそも重要事ではないように思える映画が好きです。
だから、この映画の佇まい、言葉の佇まい、俳優の佇まいも好きでした。
前田弘二(映画監督)コメント
恋人に対して、決定的な不満や問題を抱えているわけではない。
なのに彼女は流れるように不可解な行動を起こしていく。
その正体は何か。
監督の安達勇貴と脚本の四本研祥が描く、人間の持つ理解し難い、
でも明らかにあるだろう機微への挑戦。
その挑戦に俳優が見事に応え、躍っている。
森直人(映画評論家)コメント
コロナ禍に浸された街の中で「馬鹿な恋人たち」が真剣におどけて生きている。
初期ゴダールや椎名林檎などを取り込みつつ、不確定性の中を「歌わないミュージカル」のように、「哀しみのスラップスティック」のように駆け抜けていく映画書法。大好き。
新谷和輝(ラテンアメリカ映画研究者)コメント
マアサはどうして、なんのために黙々と日記をつけるのか。つまらないと漏らしつつ、どうしてカイはその日記を声に出して読まずにはいられないのか。口にした途端にどこかへ滑っていきそうな言葉をぎりぎり身体に巻きつけて、彼らは自分たちの秘密/欲望を読みあわせしようとあがく。彼らはあてのないバトルを続けるが、そこでは希望はとっくに囲われているようにみえる。それでも、持ちうる気休めをとことん衝突させてこの映画が垣間見ようとする優しさの残滓には、放っておけない不穏な切なさを感じた。
西村若奈(ミス東大2018 グランプリ / ミスiD 山崎まどか賞)
不真面目である、なんて本当はないのだと思う。
どこかしら一生懸命で、変な風にだけ完璧主義で、だから不真面目をするしかないのだと思う。
みんなたぶん、真面目にそれをやっているのだ。
狂わないために踊り、踊らされないために狂う、その繰り返しの日々は、彼らだけのものではないと気付かされた。
二田絢乃の映画作品
リンク
TAMA映画フォーラム【公式】 @tamaeiga
という訳で、第22回TAMA NEW WAVEで特別賞を受賞した映画「優しさのすべて」(@yasashisasubete )が、10月1日より東京のシアター・イメージフォーラムにてレイトショー上映です!👏👏👏✨
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