一条岬の同名小説を
ヨルシカが実写映画で主題歌を担当するのは今回が初。本作の脚本を読み「左右盲」を書き下ろした。メンバーのn-bunaは「相手の顔や仕草を少しずつ忘れていくことを左右盲になぞらえて書いた楽曲です。オスカーワイルドの幸福な王子を歌詞のモチーフにしています」と紹介している。
「左右盲」をひと足早く聞いた道枝は「映画の世界感にぴったりな、すごくいい曲だなと思いました」と、福本は「最後の歌詞が、この物語と同様に切ないところがすごくいいなあと思いました。ヨルシカさんに歌っていただけて嬉しいです!」と喜んだ。また、ヨルシカの音楽を聴きながら本作を執筆していたという一条は「『左右盲』を初めて聴いた時の衝撃は忘れません。原作で目指していた、光のような、悲しみのような優しさが体に流れ込んできました」と伝えている。
本作の音楽を担当する
なお、新たな予告映像は海辺にいる透の姿でスタート。その後、「これって誰なのかな?」と絵を見て話す真織の様子や「神谷透くんのことを忘れないで」と書かれたメモが映し出された。「左右盲」を聴くこともできる。
「今夜、世界からこの恋が消えても」は7月29日より全国ロードショー。
n-buna(ヨルシカ)コメント
相手の顔や仕草を少しずつ忘れていくことを左右盲になぞらえて書いた楽曲です。オスカーワイルドの幸福な王子を歌詞のモチーフにしています。
映画版とリリース版で楽曲のアレンジが少し変わっています。映画版では世界観に合うよう映画音楽を統括されている亀田誠治さんと相談しながら、冒頭の生活音的なサンプリングを減らして優しくアコギを聞かせる編成にしたり、最後のサビに男女でのコーラスを入れたり。よりエンディングに寄り添った、少しドラマチックなアレンジになっています。そのちょっとした違いも映画の中で楽しんでもらえたら幸いです。
亀田誠治 コメント
時に素晴らしい小説は、読んでいるうちにあたかも自分がその小説の中にいるような感覚になることがあります。ある時から僕も、自分自身がこの「セカコイ」の物語の登場人物のような気持ちになっていました。いい歳こいたオッサンが40年前の学生時代にタイムスリップして、真織や透や泉の三人の輪の中にいるような…そんな奇妙な既視感です。
この映画「セカコイ」には「人が人の幸せを願い、祈る気持ち」が通奏低音のように流れています。ですから音楽は、劇中のサウンドトラックから主題歌まで一筆書きで淀みなく設計する必要がありました。J-POPの地平線をくまなく見渡したところ、この「セカコイ」の物語性を表現できるのはヨルシカの世界観しか考えられず、ヨルシカと僕は音の往復書簡のようにやりとりを重ね「左右盲」という尊い楽曲が生まれました。映画「セカコイ」の物語に寄り添い、この時間軸でしか存在しない尊い音楽が、登場人物の心と、映画館で映画を見る人の心をつなぎます。
一条岬 コメント
分かつことのできない優しさと悲しさ。
その陰影すらも表現された素晴らしい曲だと思います。
自分にとってヨルシカさんは、安易に好きと言えないくらいに好きなアーティストでした。
繊細で、切れ味に優れ、抜群の世界観がある楽曲の虜になっていたからです。
「左右盲」を初めて聴いた時の衝撃は忘れません。
原作で目指していた、光のような、悲しみのような優しさが体に流れ込んできました。
喜劇でも悲劇でもなく、優しいだけでも悲しいだけでもない。
そんな映画の余韻を彩ってくださる素晴らしい曲だと感じています。
亀田誠治 Seiji Kameda @seiji_kameda
劇中の音楽担当しました✨
#セカコイ https://t.co/YO3W9gRZXy