本作は、新進女優と次世代監督がタッグを組み「不器用に、でも一生懸命“今”を生きるヒロインたち」をそれぞれの視点で映画化するプロジェクト、“(not) HEROINE movies”の第1弾。劇中では木竜演じる自身の妊娠に気付いた大学生・優実と、藤原扮する優実の恋人・直哉のすれ違っていく日常が描かれる。
映像には体調不良ながら直哉のために朝食を作ろうと準備する優実と、「大丈夫?」と心配するも、手伝おうとしない直哉の様子が収められた。
俳優の
安達祐実(俳優)コメント
悲しみと苛立ちと平常心がごちゃ混ぜになります。
成人だけど大人じゃない姿は、年齢を重ねても人はさほど変わらないのかもしれないと、可笑しくもあり、やるせない気持ちにもなります。
岩井俊二(監督)コメント
その猜疑心も、怒りも、狂気も、何ひとつ特別なことじゃない。この世界にはそんな葛藤がそこかしこに渦巻いている。カフェの隣の席の二人にしかわからない世界の中で。新しい命の誕生という聖域の傍らで。
串田和美(俳優・演出家・舞台美術家)コメント
僕が高校三年生だった1960年、ゴタールの「勝手にしやがれ」を観て自分勝手な、だからこそ大きな衝撃を受けた。この感覚は年寄りにはわかるまいと思った。それから60年以上経ち加藤拓也の「わたし達はおとな」を観た。2022年の高校生や大学生はあの時のような感覚の揺さぶりを感じるのだろう。そしてこの感覚は年寄りにはわかるまいと思うのかな?少し悔しい。
佐藤玲(女優)コメント
「どうしようか、私。」
また、明日がやってくるという、希望の顔をした現実を味わいながら。
エンディングのその先にどれだけの選択肢があるのか、想像せずにはいられない。
SYO(物書き)コメント
衣装や小道具、空間に人物の経済状況が見える。そして生活が立ち上がる。
だからいたたまれず、突き刺さる。未熟な心も、軽薄だが切実な言葉も。
映画という嘘を真実にする、総合演出力。賢しいほどに上手い。
鈴木浩介(俳優)コメント
私がわたしで。
私が大人じゃなくて、
おとなだった頃をこの作品を拝見して想いました。
演劇にしか出来ない事、だけじゃなくて、
映像にしか出来ない事だって出来るんですね。無敵です。
静かに穏やかに役者を見守るいつもの眼差しがカメラの向こうに確かにありました。
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岩井俊二映画祭 Iwai Shunji film festival @iwaiff
加藤拓也監督 最新作「わたし達はおとな」に岩井俊二がコメントを寄せました。 https://t.co/jx1CLOVvyG