「
第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール スペシャルメンション(特別賞)を受賞した本作の舞台は近未来の日本。75歳以上の高齢者に死を選ぶ権利を保障し、支援する制度“プラン 75”に人々が翻弄されるさまが描かれる。主人公・角谷ミチを倍賞が演じた。
ライターの武田砂鉄は「自己責任を問い、自助を求める社会は、どこに行き着くのだろう。まさか、この作品に映る光景が、その答えなのだろうか」とコメント。社会学者の
雨宮処凛(作家・活動家)コメント
身震いするほどのリアル。ここに描かれているのは、
あなたの、私の、そして少子高齢化と叫ばれて久しい
この国に住むすべての人の未来に起こり得る光景だ。
秋山弘子(東京大学名誉教授・東京大学高齢社会総合研究機構客員教授)コメント
長寿社会のフロントランナー日本。
100年の人生を自ら設計して舵取りをしながら生きる時代になった。人生の最終ページをどのように設計するか、強烈なリアリティをもって問いかける秀作である。
上野千鶴子(社会学者)コメント
いや~な映画だ。だが目を離せない作品だ。
あなたの明日がこうなるかもしれない。それでいいのか。
佐久間裕美子(文筆家)コメント
祝われるべき長寿が歓迎されない社会ってどうだろう?
人間の価値を経済的価値で図る社会が進行すれば、「PLAN 75」が描く未来図はフィクションではなくなる。
生きることが苦行でないシナリオを探したい。
武田砂鉄(ライター)コメント
自己責任を問い、自助を求める社会は、どこに行き着くのだろう。
まさか、この作品に映る光景が、その答えなのだろうか。
橘玲(作家)コメント
目の前に突きつけられているのに、誰もが直視できなかった問題に真っ向から挑んだ。
今後の日本社会に大きな影響を与えることになるだろう。
プチ鹿島(時事芸人)コメント
センセーショナルな設定だが映画を観れば気づく。現実社会にこそ「PLAN 75」の土壌がすでに生まれていることを。
「効率」や「合理」への喝采が命や弱者に向く日。淡々とした未来予想図であり警告である。
矢田部吉彦(前東京国際映画祭ディレクター)コメント
極めて身につまされる設定であり、死を選べる制度が実在したらとても悩むと思う。しかしこの物語の果てに見える景色はあまりに複雑で、改めて人生の意味を自問せざるを得ない。死を扱うドラマから涙を遠ざけ、とはいえヘヴィー一辺倒ではない早川監督の演出が秀逸だ。現代社会を生きる者として、必見。
吉川ばんび(作家)コメント
これは、現実社会の延長線を描いた衝撃作である。高齢化が進んだ未来に待つ問題を緻密に、克明に描き切っている。厄介者として排除されゆく老人は、虚構の登場人物だろうか。尊厳ある死を望む事は、非現実的な夢だろうか。
吉永みち子(ノンフィクション作家)コメント
国の未来を守るために…誰も反対しにくい言葉と共に、死を選ぶ権利が与えられる。与えるという言葉で奪われる命は、75歳以上の高齢者。効率が何より重視される時代の冷気と圧力を感じる昨今、まさかと否定しきれない怖さの中で、人が生きるということは何なのかを考えさせられる。
若竹千佐子(作家)コメント
慄然とした。
これは現代の「楢山節考」だ。あながちないとは言い切れない世界。
人がモノ化している。人の情や思いやりよりも、まず損得。
貧困化、高齢化で生産性のない老人は死を選ぶことも可能です、という。
ここでも自己責任が幅を利かせている。非正規化、孤立、貧困、今、問題はいっぱい。
いいかげん立ち上がって、人の尊厳を取り戻す戦いを始めないと大変なことになると、
改めて思った。
関連記事
倍賞千恵子の映画作品
リンク
ルートヴィヒ白鳥王 @lohengrin_lud
「PLAN 75」武田砂鉄ら著名人のコメント到着、倍賞千恵子を捉えた新写真も(コメントあり)
#PLAN75 #倍賞千恵子
https://t.co/IA6DXNxqxs