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20世紀フランスの架空都市を舞台に、雑誌フレンチ・ディスパッチ編集部の個性豊かな記者たちを描く本作。親日家で知られるアンダーソンは「このような状況の中でも劇場へ足を運んでいただきうれしく思います。このようなイベントが実施できたのもサーチライト・ピクチャーズのチームのおかげ。参加してくれたクン(野村)にもありがとうと言いたい」と挨拶し、「2018年の『犬ヶ島』で来日をして皆さんと作品をわかち合うことができました。日本に滞在したときはいつも最高の気持ちです。実はクンと秘密のプランを練っていて、1年滞在し、古い旅館をリストアして旅館ビジネスに参入!というようなことを考えています」と明かす。MCが「日本で映画を撮るのではないのですね?」と聞くと、アンダーソンは「今はちょうどスペインで新作を撮り終わって編集中という状態ではあるのですが、もし日本で1年滞在となればその体験から何か映画的なものが生まれるということは想像に難くないですね」と期待を込めた。
「犬ヶ島」をはじめアンダーソンの過去作品に数多く出演し、プライベートでも親交の深い野村。アンダーソンの新作について「彼から雑誌The New Yorkerをモチーフにしていると聞いていました。同誌好きでバックナンバーをそろえているということも知っていたので、どのような作品になるんだろうと思っていたら、雑誌というものの内部を映しながら、各ストーリーを通して長い年月もカバーするし、想像しなかった形で1本の映画になっていた。試写で観たときはびっくりしてしまいました。観れば観るほどいろんな角度で観れるので、長編10作目にふさわしい映画だなと思っています。彼の頭の中には映画のアイデアが20~30個あると思うので、このまま1年に1本ペースで吐き出し続けてほしいです」と絶賛した。
イベントでは、アンダーソンがファンからの質問に答えるQ&Aが行われた。アニメーションやモノクロのシーンがちりばめられた本作で「初めて試みた撮影方法や演出方法」について質問があると、アンダーソンは「映画を作るときには新しいことをやってみたいと毎回思っています。今回の場合は、アンソロジーという形でいくつかの物語があったため、非常にたくさんのキャストと仕事ができました。念願だったベニチオ・デル・トロやジェフリー・ライトの出演も叶いました。撮影ではキャストからワクワクするような新しいサプライズが生まれることがあります。自分の作品の新しさというのは、自分自身がコラボーレーションしている方に適用していく中で生まれてくることが多いなと思っています。ジェフリーはスペインでの作品にも出演していますし、ベニチオともまたタッグを組むアイデアが自分の中にあります」と答えた。
イベントの最後には、ファンに撮影の機会が設けられた。スマートフォンを手に思い思いに写真を撮るファンを見て、アンダーソンは「ありがとうございます! 私にも皆さんを撮らせてください!」とファンを撮影していた。
「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」は全国で上映中。
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