連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」に出演している
藤本有紀が脚本を手がける本作は、3人のヒロインが紡ぐ100年のファミリーストーリー。現在放送中の大阪編では2代目ヒロイン・るいを
るいの運命を動かしていく男、“ジョー”こと大月錠一郎を演じるオダギリ。出演オファーを受けたときのことを振り返り「僕は夜中の作品のほうがしっくり来るタイプだし(笑)、今までもインディーズや小さな作品に重きを置いて活動してきたので、朝ドラは自分らしくないかなとだいぶ悩みました。ただ、脚本家の藤本さんが自分をイメージして書いてくれた役だと聞くと、役者冥利に尽きる光栄なことだとうれしかったし、求めてくれた以上のものをお返ししたいという気持ちに傾いていきました」と明かした。
演技において意識したことを問われると、オダギリは「NHKだから、朝ドラだからといって丁寧でわかりやすい芝居をするのではなく、いつも通りの表現を心がけました。例えば、ジョーは最初20代なんです。40代の自分が説明的に20代を演じようとするよりも、何歳であろうと人間が持つ感情や感覚的な部分を表現することを重視していました」と回答。「あとはトランペットですね。ジョーにとって何よりも大切なトランペットが嘘にならないように、とにかく練習を続けました。1日に6時間を超える日もありましたが、そうした時間の積み重ねが体に染み込み、芝居に影響していくものなので、妥協のない形でトランペットに向き合いました。準備さえできていれば、あとは現場で『なるようになるだろう』という感覚で挑みました」と話す。
深津の印象を聞かれると、「作品に誠意を持っていて、真摯に芝居に向き合っている姿が印象的です。台本に関して疑問があれば、深津さんと僕、演出担当やプロデューサーみんなで話し合う時間を持ちながら進めていますし、1つひとつ、適当には進めずに、慎重にもの作りをされる印象です」と述懐。「今までの仕事の選び方も、そういうことなんでしょうね。自分が納得できないものは引き受けないで、ちゃんと本気で向き合える作品だけを選んでいる。それは同業者として、心から信頼できるポイントですね」と語り、「現場での深津さんはとにかく集中されていて、気軽に話しかけることはできない雰囲気があります。それは他者を威圧するものではなく、心地よい緊張感ですね」と回想した。
最後に視聴者へのメッセージを求められたオダギリ。「るいとジョーはひなたの人生にも関わっていく大切な役なので、丁寧に感情を紡ぐように心がけています。安子編も素晴らしかったですが、るい編は大阪らしい明るさと、藤本さんの描く人生の機微を細やかに表現できればいいなと思っています。るいとジョーの物語が後々ひなたに受け継がれ、ひなた編になったとき、改めてるいとジョーの若かりし日々や大阪での物語を愛おしく感じてもらえたらいいなと思いますし、ひなたを見ているだけで、若き日のるいとジョーを思い出せるような、そういう強い感情を残せる2人が作れたらいいなと思います」と述べた。
「カムカムエヴリバディ」はNHK総合ほかで放送中。
連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」
NHK総合 毎週月曜~土曜 8:00~
NHK BSプレミアム・BS4K 毎週月曜~土曜 7:30~
※4K制作
映画ナタリー @eiga_natalie
「カムカムエヴリバディ」オダギリジョー、深津絵里との“心地よい緊張感”を回想
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