盲目の養母に“世界の音”届ける青年描くPFFスカラシップ作初披露、監督は工藤梨穂

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「オーファンズ・ブルース」で知られる工藤梨穂がPFFスカラシップ最新作「裸足で鳴らしてみせろ」を監督。第43回ぴあフィルムフェスティバルのオープニング作品として、9月11日に初披露される。

「裸足で鳴らしてみせろ」

「裸足で鳴らしてみせろ」

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工藤梨穂

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京都造形芸術大学映画学科の卒業制作として発表した「オーファンズ・ブルース」で、PFFアワード2018のグランプリを獲得した工藤。PFFスカラシップはアワードの受賞監督からオリジナル企画を募り、毎年1名を選出して映画化する企画だ。PFFが企画、製作、劇場公開までをプロデュースし、これまで園子温、橋口亮輔、矢口史靖、李相日、荻上直子、内田けんじ、石井裕也といった監督たちの商業映画デビュー作を世に送り出してきた。

「裸足で鳴らしてみせろ」は盲目の養母のために“世界の音”を届けようとする2人の青年の関係を紡いだドラマ。「オーファンズ・ブルース」にも出演していた佐々木詩音と、「蝸牛」でMOOSIC LAB 2019短編部門の最優秀男優賞を獲得した諏訪珠理が出演するほか、伊藤歌歩甲本雅裕風吹ジュンもキャストに名を連ねている。

映画は長野の諏訪地域周辺を中心に撮影された。コロナ禍での感染症対策を講じながら、2020年11月にクランクアップを迎えた。工藤は「ラストシーンが頭に思い浮かんだ時からずっと『この光景を誰かに観てほしい』というどうしようもなく強い欲望に取り憑かれて、この映画を撮りました。私自身は撮影中、明日も明後日も同じように撮れるものではない、この瞬間を逃したらもう二度と捉えることのできないようなものを目の当たりにして映画を撮ることへの恐ろしさを改めて感じました」と回想。さらに「人が生涯忘れられないような映画を作ることを目指して、素晴らしいキャストとスタッフに携わってもらい、今の自分にできる全てを注いだつもりです」「誰かの脳裏で反芻され続ける映画であるようにと切に願っています」と語っている。

第43回ぴあフィルムフェスティバルは東京・国立映画アーカイブで9月11日から25日にかけて開催。「裸足で鳴らしてみせろ」のプレミアでは監督、キャストによる舞台挨拶も予定している。なおPFFアワード2021の入選作品は上映のほか、DOKUSO映画館とU-NEXTで配信も行われる。

第43回ぴあフィルムフェスティバル

2021年9月11日(土)~25日(土)東京都 国立映画アーカイブ ※月曜休館

工藤梨穂 コメント

ラストシーンが頭に思い浮かんだ時からずっと「この光景を誰かに観てほしい」というどうしようもなく強い欲望に取り憑かれて、この映画を撮りました。
私自身は撮影中、明日も明後日も同じように撮れるものではない、この瞬間を逃したらもう二度と捉えることのできないようなものを目の当たりにして映画を撮ることへの恐ろしさを改めて感じました。
人が生涯忘れられないような映画を作ることを目指して、素晴らしいキャストとスタッフに携わってもらい、今の自分にできる全てを注いだつもりです。
「裸足で鳴らしてみせろ」が誰かの脳裏で反芻され続ける映画であるようにと切に願っています。
大変な状況下ではありますが是非観に来てください、と言わせてください。

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(c)PFF パートナーズ、一般社団法人 PFF

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