旧東ドイツ出身の映画作家
ベルリンの壁崩壊から30年後の2019年に発表された本作は、第69回ベルリン国際映画祭フォーラム部門で、斬新かつ意欲的なテーマの作品に贈られるカリガリ賞を受賞。1910年代からハイゼ家3世代が保管してきた家族の遺品を使い、激動のドイツの100年を自らのモノローグで語っていく全5章・218分のドキュメンタリーだ。
引用に次ぐ引用で積み重ねられる言葉は、戦争証言にとどまらず、分断や差別、言論の自由、ジェンダー論、そして個人のアイデンティティの問題など現代的なテーマにも及ぶ。遺品の中には、祖母のユダヤ人家族がウィーンからポーランドに強制送還される直前までベルリンに住む祖父母たちとやり取りしていた往復書簡や、東ドイツの劇作家ハイナー・ミュラーと哲学者だったハイゼの父が対談するテープなども含まれる。YouTubeでは予告編が公開中。
映画ナタリー @eiga_natalie
全5章・3時間38分で語るドイツ100年と家族史、トーマス・ハイゼの記録映画が公開(動画あり)
https://t.co/O17icZL6eK https://t.co/0xCGOIjTic