中川大志が旧友・北村匠海との共演喜ぶ、石井杏奈は「大変さも青春でした」

「砕け散るところを見せてあげる」の完成報告舞台挨拶が本日3月1日に東京・丸の内ピカデリーで行われ、キャストの中川大志、石井杏奈、井之脇海、松井愛莉、北村匠海（DISH//）、矢田亜希子、原田知世、堤真一、監督のSABUが登壇した。

竹宮ゆゆこの小説をもとにした本作は、正義感が強い高校3年生・濱田清澄と“学年一の嫌われ者”である1年生・蔵本玻璃の愛を描く物語。中川が清澄、石井が誰にも言えない秘密を抱える玻璃を演じた。中川は「2年ほど前に撮影した作品。ようやく公開できるということで、本当にうれしく思っています」と、石井も「本当にうれしいです。朝から心臓がバクバクしています」と挨拶する。

中川は自身が演じた清澄を「周りの目がある中で、自分が思ったことを行動に移せる男」と説明し、「清澄が玻璃に影響を与え、また玻璃からも与えてもらっている。杏奈ちゃん演じる玻璃の表情を一瞬たりとも見逃さないよう集中して演じていました」と述懐。そして「杏奈ちゃんは中学生の頃から一緒に仕事をしてきた仲なんです。撮影初日に玻璃を演じる姿を見たとき、ズーンと来るものがあった。玻璃のために強くならないとなと思いましたし、杏奈ちゃんの作品に対する覚悟を感じました」と続ける。一方の石井は「玻璃に共感して、肯定して演じたいと思っていたんです。撮影中に大志くんに救われることがありました。大変さも青春でした」と笑顔をこぼした。

清澄の親友・田丸玄悟役の井之脇は「田丸は清澄にとってヒーローにならなきゃいけないと思っていました。言葉じゃないどこかで清澄を励ますことができるよう心がけて演じました」とコメント。尾崎姉妹の姉を演じた松井は「あまり多くを語らない女の子。そこを大事にしながら演じました」と振り返る。

完成した作品を3回観たというのは、清澄の息子である真っ赤な嵐役の北村。彼が「きれいで美しい愛情が描かれていて、すごく好きな作品です。主演の2人が作り上げた空気感がとても素敵で。同世代として誇りに思います」と伝えると、中川は「匠海とは小学生の頃から同じレッスンを受けた仲。匠海が出演してくれてうれしかったです」とはにかむ。真っ赤な嵐の母役・原田も主演の2人を絶賛し、「清澄と玻璃のお互いを思う気持ちに一点の曇りもなくて、尊いものを観せてもらったと思っています」と述べた。

清澄の母に扮した矢田は、高校生の息子がいる役に戸惑っていたことを明かしつつ「撮影前に中川さんと読み合わせをしたんですが、何気ない会話がリアルで心に残ったんです。そこからは、清澄のことを愛いっぱいに育てて、見守って演じればいいんだなと思いました。素敵な息子で、母として誇らしいです」と中川に笑顔を向ける。中川が「こんな陽気で楽しいお母ちゃんがいたら最高だなって。矢田さんをテレビで見ると『お母さんだ！』と思っています」と言うと、矢田も「私も！ 『清澄ー！』って思っています」と返した。

玻璃の父親役の堤は「SABUは友達なので作品は厳しい目で観てしまう。ただこの映画は主演の2人に見入りましたね」とたたえる。久々に堤とともに仕事をしたSABUは「久しぶりに堤真一に頼ってしまいました。キャストがすごくいいですし、映像はベルリンで仕上げている。日本では出せない色味になっています。自信しかないです」と力説した。

最後に石井は「役者を仕事にして、生きてきてよかったです。幸せに思っています。玻璃として生きた証を劇場で観ていただきたいです」と、中川は「20歳になったばかりのときに撮った作品です。あの当時しか表現できなかったものを監督にいっぱい切り取っていただけたと思っています。大切で宝物のような作品になりました。早く楽しみにしてくれている皆さんに届けたいです」と思いを口にし、イベントの幕を引いた。

「砕け散るところを見せてあげる」は4月9日に東京・新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国で公開。