「ライチ☆光クラブ」「ミスミソウ」の
1993年の山形マット死事件、2015年の川崎市中1男子生徒殺害事件などに着想を得た本作は、いじめにより同級生を殺してしまった不良少年グループのリーダー・市川絆星(きら)を主人公とする物語。当初は自供していた絆星だったが、母親に説得され否認に転じ、少年審判では無罪に当たる不処分が決定する。
予告編には「人の幸せを奪っておいて、自分だけ幸せになるつもりか」と刑事に問われる絆星の姿が。「うちの息子は無罪ですから」と絆星をかばう母親の言葉や、「あなたの子どもが人を殺したらどうしますか?」というキャッチコピーも収められた。
このコピーはオーディション参加者に投げかけられた質問。内藤は「参加者の多くは困惑した反応を示しました。自分の子どもが『被害者』になることを想像していても、『加害者』になることは想像していなかったのだと思います」「しかし、いじめは一人に対して大人数が起こす事象なので、自分の子どもは『加害者』になる可能性の方が高いです」と述べている。そして、誰しもが加害者性を備えていることに触れ「『被害者』になってしまうのではないかと不安を抱えながら、一方で『加害者』になる可能性について避けてしまう――。本作はそうした矛盾を描いた作品です」と説明した。
内藤にとって「先生を流産させる会」以来、8年ぶりの自主制作映画となる「許された子どもたち」は5月9日より、東京・ユーロスペースほか全国で順次公開。
※「許された子どもたち」は、新型コロナウイルスによる感染症の拡大を受けて公開延期となりました。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
内藤瑛亮 コメント
「あなたの子供が人を殺したらどうしますか?」という言葉について
キャッチコピーとなるこの言葉は、オーディションに参加して下さった方に、投げかけた質問です。参加者の多くは困惑した反応を示しました。自分の子どもが「被害者」になることを想像していても、「加害者」になることは想像していなかったのだと思います。いじめに関する事件を目にしたときに、自分の子どもがいじめられる不安を覚えたり、かつて自分がいじめられた経験を想起したり、多くの方は被害者の視点で受け止めると思います。
しかし、いじめは一人に対して大人数が起こす事象なので、自分の子どもは「加害者」になる可能性の方が高いです。あるいは、自分自身はいじめと認識していなくても、かつて誰かをいじめていた可能性もあります。誰しもが加害者性を備えています。「被害者」になってしまうのではないかと不安を抱えながら、一方で「加害者」になる可能性について避けてしまう――。本作はそうした矛盾を描いた作品です。
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tAk @mifu75
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