斎藤工と樋口真嗣が「ウルトラマン」との出会い回想、新デザインも披露

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「TSUBURAYA CONVENTION 2019」が本日12月14日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで開催された。

「TSUBURAYA CONVENTION 2019」内「シン・ウルトラマン」セッションの様子。左から斎藤工、樋口真嗣。

「TSUBURAYA CONVENTION 2019」内「シン・ウルトラマン」セッションの様子。左から斎藤工、樋口真嗣。

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これは、円谷プロダクションが「ファンの皆様への感謝を直接伝える場」「ファンの皆様とともに円谷プロダクション作品の魅力を再発見する場」として開催する、ファン感謝祭および“新たな挑戦”の発表会。「シン・ウルトラマン」のセッションでは、キャストの斎藤工、監督の樋口真嗣が登壇した。

樋口真嗣

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1966年から1967年に放送された特撮ドラマ「ウルトラマン」を庵野秀明による企画・脚本で映画化する本作では、斎藤、長澤まさみ、西島秀俊がさまざまな脅威に立ち向かうメンバーを演じる。ウルトラマンへの思いを尋ねられた樋口は「再放送で毎日かかっていたものを浴びるように観て育ちました。ただ厳しい親でしたので、小学校に入る前に怪獣の人形は捨てられてしまったんです。その経験が心に大きな穴を開けて、それを埋めるために今があるという感じで(笑)。ウルトラマンは心の一部ですね」と回想した。

斎藤工

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斎藤は「小学校でシュタイナー教育を受けていたので、テレビや映画、人形のような遊び道具は与えられなかったんです」と振り返る。続けて「ただ父が映像業界の人間で、円谷でバイトしていて『ウルトラマンタロウ』の現場にいたんです。その影響か、ウルトラマンのフィギュアだけ唯一家にありまして、それが僕の遊び道具でした。自分の中で想像しながら遊んで、のちに映像にも出会ったんです」と述べた。また、オファーを受けたことについては「まさかウルトラマンに変身する人生だとは思っていなかったので……」と当時の心境を明かし、「壁ドンをしてきたような人間なので、まさかと夢のようでした。物語の内容はまだお話しできないんですけど、『だから、僕がやるのか』と思えるようなものが書かれていました」と述懐する。

続いて長澤、西島からのメッセージ映像がスクリーンに。長澤が「庵野さんが作るからこそ生まれるウルトラマンのよさがあると、撮影しながら感じています。無機質なものに生き生きとしたものを吹き込む演出で、世界観をよりリアルに感じられる面白い作品になると思います」とコメントすると、西島は「最先端の撮り方。まだ進化する可能性がこんなにあるんだと感じて非常に面白かったです。もっと撮影したいですね」と笑みをこぼした。

「シン・ウルトラマン」ビジュアル

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「TSUBURAYA CONVENTION 2019」内「シン・ウルトラマン」セッションの様子。

「TSUBURAYA CONVENTION 2019」内「シン・ウルトラマン」セッションの様子。[拡大]

終盤には劇中に登場するウルトラマンのデザインが披露され、会場から拍手が起こる。「シン・ウルトラマン」におけるウルトラマンは、「ウルトラQ」「ウルトラマン」などでキャラクター造形や基地セットのデザインを手がけた成田亨の絵画「真実と正義と美の化身」をコンセプトにして作られたもの。カラータイマー、スーツ着脱用ファスナーに伴う背びれは付けないなど、成田が望んだという形が反映されている。

成田亨「真実と正義と美の化身」

成田亨「真実と正義と美の化身」[拡大]

樋口は「企画・脚本をやっている庵野はかつて自分でウルトラマンをやってしまったほど、ウルトラマンが大好き。庵野がどんなウルトラマンを観たいのか、作りたいのかというところを徹底的に集めてこの形になりました」と説明。庵野はイベントに向けたコメントで「成田亨氏の描いた『真実と正義と美の化身』を観た瞬間に感じた『この美しさを何とか映像に出来ないか』という想いが、今作のデザインコンセプトの原点でした」「世界観を現代に再構築する事は挑戦出来てもあの姿を改める必要を感じ得ず、成田亨・佐々木明両氏の創作したオリジナルへの回帰しか、我々の求めるデザインコンセプトを見出せませんでした」と深い思いを垣間見せる。

最後の挨拶で斎藤は「令和の子供たちだけではなく、大人たちにも必要な作品が生まれようとしています」と話し、「オリンピック後の日本がどうなっていくのか、真価が問われる。そんな時代に必要な作品になると期待しています」と意気込んでイベントを締めた。

「シン・ウルトラマン」は2021年に全国で公開される予定。

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(c)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会

庵野秀明 コメント

「シンウルトラマン」の「ウルトラマン」について

成田亨氏の描いた「真実と正義と美の化身」を観た瞬間に感じた「この美しさを何とか映像に出来ないか」という想いが、今作のデザインコンセプトの原点でした。

我々が「ウルトラマン」というエポックな作品を今一度現代で描く際に、ウルトラマン自身の姿をどう描くのか。
その問題の答えは、自ずと決まっていました。
それは、成田亨氏の目指した本来の姿を描く。現在の CG でしか描けない、成田氏が望んでいたテイストの再現を目指す事です。
世界観を現代に再構築する事は挑戦出来てもあの姿を改める必要を感じ得ず、成田亨・佐々木明両氏の創作したオリジナルへの回帰しか、我々の求めるデザインコンセプトを見出せませんでした。

その為に──

「真実と正義と美の化身」と成田氏が当時から後年にかけて描いていた様々なウルトラマンのイメージを踏襲し融合し再構成させた新たな体表のライン。
成田氏が監修した、佐々木明氏制作によるマスク。
成田氏が望んだ、古谷敏氏の体型データをベースとした体躯。
成田氏が望まなかった、眼の部分に覗き穴を入れない。
成田氏が望まなかった、スーツ着脱用ファスナーに伴う背鰭を付けない。そして、成田氏が望まなかった、カラータイマーを付けない。

と、いう作業を行った結果が今回のデザインです。
ウルトラマンの美しさに、少しでも近づきたいという願いから生まれた姿です。
この想いが、わずかでも観客の皆様に伝わる事が出来れば、幸いです。

成田浬(成田亨の長男)コメント

「シン・ウルトラマン」のデザイン発表に寄せて

昨年の初春、母と私のもとへ庵野秀明さんが来訪され「『真実と正義と美の化身』を映画にしたい」と仰っていただいた時のことは忘れません。耳を疑うほどに嬉しかったのです。

父、成田亨は、自身が試行錯誤しながら生み出した「ウルトラマン」を、生涯を通して深く愛し、誇りに思っておりました。

同時に、その「ウルトラマン」を生み出した自身の名前がクレジットから消され、デザインが変質され、商業的に利用され続ける人間社会に深い悲しみと絶望を抱いておりました。その心を正直に発した事で、誤解や誹謗中傷も受けました。

父は悲しみが癒されることなく2002年に他界しましたが、その背中を通して多くを感じながら育てられた私は、父を誇りに思い、時に哀れに思い、そして心から尊敬しています。

生前の父の言葉を思い出します。「本物は残る、本物であれ」

「真実と正義と美の化身」は、芸術家として生きた当時の父の全てが注ぎ込まれた油彩画です。その絵画が、当時まだ子どもとしてウルトラマンを見ておられた庵野さんの感性に50年以上の時を経て触れ、才能を発揮し続ける庵野さんの稀有な感性と交わり、「シン・ウルトラマン」としてどの様な姿でスクリーンに蘇るのか、期待に胸が膨れ、熱くなっております。

昭和の子どもが心踊らせた「ウルトラマン」が、令和の子どもたちに「シン・ウルトラマン」として蘇る。子ども達の心に残る忘れられない映画の誕生を心待ちにしております。

塚越隆行(円谷プロダクション 代表取締役会長兼CEO)コメント

「シン・ウルトラマン」の「ウルトラマン」について

初めて庵野秀明氏と「シン・ウルトラマン」の企画の話をした時から、庵野氏にはある想いがありました。それは、成田亨氏の描いた「真実と正義と美の化身」を今作のデザインコンセプトにしたいということ。

成田氏の描かれたデザインは現在まで続く「ウルトラマン」の原点であり、私たちは庵野氏の「ウルトラマンの美しさに少しでも近づきたい」という想いに全面的に賛成しました。私が初めて成田浬氏とお会いしたのは 2018年春でした。それ以来、亨氏の偉業について、そしてご苦労についてお伺いすることができました。
その上で、この機会に改めて成田氏の円谷プロダクションでの仕事と功績に対して惜しみない賛辞をお贈りしたいと思います。

今作をご覧になる多くの方が最高にして美しい「ウルトラマン」を目撃します。どうぞご期待ください。

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ティグレ @Masked_Tigre

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