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岡田惠和が脚本を担当した本作は、銀杏BOYZの楽曲「漂流教室」「ぽあだむ」などをイメージソースにしたラブストーリー。1年に一度しか会えない“あーちゃん”を思いながら日々を暮らす主人公・笹沢コウタを古舘、あーちゃんこと天野千日を石橋が演じた。
本作が映画初主演作となった古舘は、コウタの人物像をなかなかつかめず「何度も彼と喧嘩し、ある種の絶交宣言もしました」と振り返る。だが、石橋との顔合わせを経て解決を見たと言い「頭で考えず、直感で演じろ!ということを学びました。作品でもコウタはあーちゃんを女神と崇めているんですけど、作品の外でも僕は石橋さんのことを女神だと思っております」と称賛する。隣で笑いながら聞いている石橋を見ながら、古舘は「何で僕のことを救ってくれたんですか?と聞いたら、石橋さんはクールに『いやまあ、仕事ですから』とおっしゃって、そういうSっ気のある部分もあーちゃんみたいだなと思いました」と熱を込めた。
石橋は古舘との顔合わせを思い返し、「私自身不安だったんですが、古舘さんにお会いしたらコウタにしか見えず、チャーミングでユーモアのある動きをされるのでおかしくて、そこからコウタと千日の関係性が始まったような気がしています」とにっこり。続けて、石橋は複雑なバックボーンを持つ千日役にのめり込み、考え込むこともあったと明かし「そういうときに峯田さんの音楽を聴いて本当に救われました。撮影中も撮影後も聴いて励まされていました」と述べる。石橋のコメントを受けて峯田は恥ずかしそうに「よかったです、ありがとうございます」と頭を下げた。
コウタの隣人・アケミを演じた岸井は、MCからコウタと千日の関係性をどう思うか問われると、しばし考えたのちに「少し危うさがある」とコメント。「コウタは占いを100%信じちゃうような純粋さがあって、あーちゃんのことを女神だと思っているし、あーちゃんも女神だと思われていることに対しての気持ち悪さもあると思う」と分析したあと、「すみません、昨日ダイアナ元妃の映画を観ちゃったので、あーちゃんを重ねちゃうのかも……」と苦笑した。
小説版の原作者でもある峯田は、作品が完成した心境を「足かけ3年弱ぐらいかかって映画が完成して、無事“出産”できてよかったという気持ちです。岡田さんがお母さんで僕がお父さん。岡田さんが身を削って産んでくださって、産まれたぞ!って待合室で聞いて、ああ……よかったという感じ。うれしいです」と身振りを交えながら表現。本作が長編デビュー作となった菅原は「峯田さんがおっしゃる通り、子供のような作品なので本当にかわいいです。ちょっと不細工な部分があったり、コウタもヤバいところがあったりするんですが、共感やいろんな思いを持っていただけたらなと思います」と語った。
最後に古舘は「僕が最初に銀杏BOYZの曲を聴いたのは15歳の頃でした。うまく説明できないんですが、うわーっていう感情があふれて部屋で1人で大暴れして、そんなこと人生で1回だけでした。青春とは説明できない感情が爆発するものだと銀杏BOYZに教えてもらいました。言葉にできない衝動をこの映画から感じてもらえたらと思います」と挨拶。石橋は「青春にはいろんな意味があって、青春真っ只中の方もいらっしゃると思いますし、こういうことあったなと思い返す方もいらっしゃると思います。自分の記憶に重ねて観ていただけたらと思います」と呼びかけた。
「いちごの唄」は7月5日より、東京・新宿ピカデリーほか全国で公開。
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