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実話をもとに、思いがけず麻薬カルテルの運び屋として働くことになった90歳の老人アール・ストーンを主人公とした本作。クリント・イーストウッドが「グラン・トリノ」以来10年ぶりに監督と主演を務めている。
イーストウッド監督作史上6作品目となる1億ドル超えのヒットを飛ばした本作について、町山は「やっぱりみんな、俳優・イーストウッドが観たいんですよね。観客もイーストウッド自身を投影した半自伝的な作品として観ていますし、本人もそうやって観てもらっていいと言っています」とコメント。主人公アールの私生活に関しては、イーストウッドが自身の過去を投影して脚色した部分が多かったという。「イーストウッドにインタビューしたときに、『今まであまりにも家庭をないがしろにしすぎた。反省している』とはっきりおっしゃっていました」と語った。
イーストウッドが実話をもとにした作品を多く監督していることについて、町山は「常にネタを探しまくっている人なんです。歴史上の事実や面白い話を片っ端から集めている」と言及。「グラン・トリノ」に登場するモン族や、「硫黄島からの手紙」の日本兵を例に挙げ「『硫黄島からの手紙』のときには日本料理が好きになって、お会いしたときに長寿の秘訣を尋ねたら『日本茶!』と言っていました(笑)」とエピソードを披露した。
インタビューした際のことを振り返った町山は、「男は仕事だけで評価されるという時代は終わりつつある。そういう時代の変化にキャッチアップしていかないと、っておっしゃっていました」とイーストウッドの言葉を紹介し、「ここ何年も“贖罪”をテーマにした作品を撮っていますよね。それぞれの映画で自分の人生をまとめあげようとしているんだと思います」と述べる。さらに「この映画は枯れていないのがすごいんですよ。ギラギラしたいやらしい欲望がたぎっているのがイーストウッドらしい。それが長寿の秘訣かもしれない」と分析すると、「ダーティハリー」の「弾切れだと思ってるんだろう? 試してみるか、小僧!」というセリフを引用しニヤリと笑った。
「運び屋」は3月8日より全国ロードショー。
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