映画「
石井は本作の脚本制作を「原作者や片岡さんが作った世界を、破壊ということではないんですけど、少しずつ壊していった」と振り返る。プロデューサーの北島直明は「脚本の段階では全然理解できなかったシーンでも、いざ人が芝居をすると、文字だけではわからなかったものが見えてくる。これが石井裕也の真骨頂なんです。片岡さんがきっちりまとめたものを監督が崩して片岡さんがまた整理する。そして撮影現場で、監督が最終的なバランスを取る。少女マンガ原作で、こんなに理詰めで作ってる作品はほかにないと思います」と自信をうかがわせた。
デジタル撮影が主流になっている昨今の映画業界では珍しく、より予算のかかる35mmフィルムというフォーマットが選択された本作。石井はその理由を「一回性の面白さですね。フィルムならではの美しい映像が撮れるということ以上に、『何度もやり直せない』とスタッフも俳優も意識できることが大きい」と語り、「いろいろ冒険的なことをやっている映画ですけど、『冒険ついでにフィルムでやります?』って聞いたら、北島さんが『いいんじゃないですか』と言って」と笑う。それを受け、北島は「プロデューサーの仕事って、自分がやりたいことを監督にやってもらうんじゃなくて、監督がやりたいことを叶えることですから。ただ、やっぱりフィルムは怖いなと思いましたけどね。テイクを重ねるたびにお金の音が聞こえました(笑)。いい経験をさせてもらったなと思いましたが」と振り返った。
「町田くんの世界」は6月7日より全国で公開。キャスト情報などは追って発表される。
安藤ゆき コメント
一人の人間から生まれた小さな作品がたくさんの人が構築する大きな企画になっていくことは、わくわくする一方で不思議な気持ちでいっぱいです。この映画の関係者の一人になれたことを幸福に思います。
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