「PLANETIST」は“東洋のガラパゴス”と呼ばれる東京・小笠原諸島を舞台とする作品。自然とともに生きるサーファー・宮川典継が、小笠原諸島へやって来た人々の想像力を解き放っていく様子が捉えられている。映画にはディジュリドゥ奏者の
なお豊田がノンフィクション作品を手がけるのは、2001年に公開された「アンチェイン」以来。制作は2014年にスタートした。豊田は「地球と遊ぶこと。そのドリーミングな一瞬を観客と共有したいと思う。素敵な時間である。この一瞬のために人生があったのではないかと錯覚する。僕が死ぬ前に思い出す景色がこの映画に収められている」と述べている。
※本作の公開は延期となりました。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
豊田利晃 コメント
僕が島へのゲストを決めて、宮川典継が場所、時間、日にち、風、波、島の脈動の流れを読み、この島を祝福するような、祭宴を作り上げる。
その時、その場所でしか起こらない奇跡。それを、地球の流れを読み、成立させていく。その祭宴に参加する者は、地球との一体感を感じて、それぞれが、それぞれの想像力を刺激され、何かを見る。僕は、それを「怪獣」と例える。これが、このドキュメンタリーというには作為的な映画の運動だ。地球と遊ぶこと。そのドリーミングな一瞬を観客と共有したいと思う。素敵な時間である。この一瞬のために人生があったのではないかと錯覚する。僕が死ぬ前に思い出す景色がこの映画に収められている。
このドキュメンタリーの終わりは時間だ。2018年。小笠原返還50周年。結末はわからない。ただ時間だけが迫っていく。これ以上はないと思える光景が最後に見えるだろう。そんな夢を僕は見ている。
南の島へ行くといつも戦争の記憶と出会う。その記憶は放置されたまま現在もそこにある。辺境の島は国家の姿が丸見えだ。小笠原諸島は国策で作り上げられてきた。明治から昭和初期にかけて父島要塞と呼ばれた軍事島に変貌した。硫黄島の硫黄は火薬の燃料だ。硫黄の発掘とコカの栽培。第二次世界大戦の重要な拠点になった。
伊豆大島から15歳のときに硫黄島に渡ってきたのが、宮川典継のおじいさんだ。戦争の時代をくぐり抜け、世界自然遺産の平和な島への変貌。その記憶をひとつに、2018年の光景として、この映画のクライマックスになるだろう。それが、
宮川は小笠原で自然保護の仕事に従事している。島の生態系を守ること。それが仕事であり、彼の生き方である。世界的に見て、生態系が守られている場所は珍しい。小笠原が東洋のガラパゴスと呼ばれるように。生態系を守ることは地球を守ることである。
関連記事
豊田利晃の映画作品
関連商品
tAk @mifu75
豊田利晃による記録映画「PLANETIST」2019年公開、窪塚洋介や中村達也が登場(コメントあり) - 映画ナタリー https://t.co/lhrMgkhplv