カナダ現地時間9月10日、「
吉田修一の同名小説を原作とする「怒り」は、ある殺人事件の容疑者として浮上した3人の男たちを中心に、彼らを取り巻く人々が信用と疑惑の間で揺れるさまを描いた群像劇。渡辺と宮崎は千葉の港町に住む父娘・槙洋平と愛子をそれぞれ演じた。
上映前に公式会見へ参加した3人。渡辺は李について「一緒に仕事をできたことを誇りに思っています。いつでも素晴らしく、俳優や女優はみんな彼を信頼しています。たぶん、また何度でも彼の作品に挑戦すると思います」と話す。また本作のテーマ“信じること”に関して質問が飛ぶと、李は「我々は知らない人たち、改めて知り合う新しい人たちをどれだけ信頼できるか。信頼することがいかに難しいか、信頼することによって失うこと、疑うことによって失うことがどれだけあるのかというテーマは、今まさに世界で起きていることとつながっているのだと認識しています」と真摯に語った。宮崎は「現場では毎日監督と話をして、感情を共有しながら愛子を一緒に作っていった気がしています。また、渡辺さんと初めてご一緒させていただいて、現場での佇まいやスタッフへの対応、私たち役者への接し方など、すべてをそばで見られたことが幸せでした」と振り返る。
公式上映が行われたのは、1913年に建てられた映画館エルギンシアター。上映前のカーペットアライバルには約500人の観客が詰めかけ、渡辺と宮崎はサインや写真撮影の求めに応じてファンとの時間を楽しんだ。そして本編上映後は1400名の観客から約10分にわたって拍手喝采が送られ、その光景を見た渡辺の目にはうっすらと涙が。
上映終了後、渡辺は「ただ泣けるとかではなく、本当に心の芯をつかまれる、そんな作品だと思います。最後には心から温かい拍手を受け取りました」とコメント。また宮崎は「謙さんとご一緒に取材を受けていく中で、お父ちゃんがどんな気持ちで愛子を見ていたのか知りました。そのせいか、愛子のことを思うお父ちゃんの顔にぐっときてしまいました」と、李は「観客と一緒に自分の映画を観るということは、僕にとっては試練です。厳しい試練を乗り越えた達成感を感じています(笑)。ピエール(瀧)さんのシーンがこんなに笑いをとることが、驚きでもあり、楽しくもあります」とそれぞれ心境を述べた。
「怒り」は9月17日より全国でロードショー。
※宮崎あおいの崎は立つ崎(たつさき)が正式表記
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- 「怒り」公式サイト
- 「怒り」特設サイト | GYAO!
- 映画「怒り」(9月17日公開)(@IkariMovie) | Twitter
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