映画ナタリー - 最新映画ニュースを日々配信

「ハイ☆スピード!」初日、遙役の島崎信長「人生をよくするきっかけになれば」

1703

左から、桐嶋郁弥役の内山昂輝、七瀬遙役の島崎信長、橘真琴役の鈴木達央、監督の武本康弘。

左から、桐嶋郁弥役の内山昂輝、七瀬遙役の島崎信長、橘真琴役の鈴木達央、監督の武本康弘。

「映画 ハイ☆スピード!―Free! Starting Days―」の初日舞台挨拶が、本日12月5日に新宿ピカデリーにて行われ、七瀬遙役の島崎信長、橘真琴役の鈴木達央、桐嶋郁弥役の内山昂輝、監督の武本康弘が登壇した。

京都アニメーション制作による「映画 ハイ☆スピード!―Free! Starting Days―」は、テレビアニメ「Free!」「Free!-Eternal Summer-」の原案となった、おおじこうじによる小説「ハイ☆スピード!」を映画化した作品。テレビシリーズでは遙とその仲間たちが水泳に青春を捧げる高校生時代が描かれたが、今作では遙たちの中学生時代を追う。

島崎は公開初日を迎え「なんて言ったらいいのかわからないというのが、今の正直な気持ちです」と語り出す。「試写で映画を観させていただいたんですが、『Free!』のときからずっとやってきているので、いろんな思いが込み上げてきて……今までの思いも『ハイ☆スピード!』で新しく生まれた思いも、全部ひっくるめて気持ちがいっぱい」と心境を口にした。鈴木は「中学生の真琴を演じるということは、自分の中でもハードルが高くて。いろいろ考えてはいたんですけど、こうやって皆さんのところにお届けできたことに今はホッとしています」と思いを語った。

武本は「正直不安でした」と切り出しながら、「『Free!』という世界観に、私は新参者として参加させていただいて。これだけたくさんの熱心なファンの方がいらっしゃる作品を私に任せていただいて、果たしてちゃんと皆さまに届くフィルムを作れるのだろうかと」とこれまでの思いを吐露する。「それでもこうして皆さまを前にすることができて、そのことが本当にうれしくって。観に来ていただいてありがとうございます」と観客に感謝の気持ちを伝えた。

島崎と鈴木は今年の3月に行われ、劇場版公開が発表されたイベントを振り返る。本来であればフィナーレに上映される予定だった告知映像が、イベントの中盤に流れてしまったハプニングに対し「(出演者の空気が)凍った(笑)」と明かす。「僕、あのときのみんなの顔が忘れられないんです。隣に座ってた平川(大輔)さんに『平川さん、これ……あれっすよね?』って話しかけたりして。みんなも『やっべー、終わった』みたいな顔してて」と当時の様子を伝えると、客席からは思わず笑いがこぼれた。

鈴木も「そうそう(笑)」と話に乗りながら、中学生時代の真琴を自身が演じることになった当時の心境を語る。「(中学生の真琴は)数カ月前まではゆきのさつきさんが演じていたかわいらしい(小学生の)真琴だったので、それをちゃんと受け取りたいなと思ったんです。なので最初はゆきのさんが演じるとしたら、たぶんこういうアプローチになるかもしれないとか考えて。(ゆきのが演じていた)映像をずっと観ていたんです」と裏話を披露。また収録の直前に偶然ゆきのと会った際、本人にそのことを告げると「『じゃあ少しでも達央くんの背中が押せてたらいいね』と言ってもらった」と語り、「なので最初のほうの真琴は、ゆきのさんと一緒に作ったという感じがありました」と思いを打ち明ける。「その上で物語の中で郁弥や旭たちとも絡むことになって、真琴が少しづつ“自分”を作っていくことになる。そこからはちょっとでも『Free!』へのつながりが見えるようなものになればいいなと思って。だから死ぬほど頭を使いましたね(笑)」と真琴を演じた上での思いを語った。

島崎は「遙のことを中学生に遡って考えると複雑な思いがあって」と前置きしながらも、「“遙らしさ”って一体なんなんだろうとか。『Free!』らしさ、『ハイ☆スピード!』らしさ、中学生らしさってなんなんだろうっていうことを考えていました」と収録を振り返る。加えて「中学生の遙と、僕らが今まで演じてきた高校生の遙たちがつながって、物語もつながっていけばいいなと。そしたら今度は『Free!』にも深みが生まれたりして。みんながまた新しいものを感じたりするかもしれない。そこからもう一度『ハイ☆スピード!』を観たら、また何か新しいものを見つけられるかもしれない。その“つながり”を大切にできたらと思って演じさせていただきました」と思いを明かす。話を聞いていた鈴木に「何度も観ろって言うんだ?」と冗談交じりにツッコまれると、「はい! 僕は何度も観ていただきたいです!」と強く主張し、客席からは拍手が送られた。

またここで椎名旭役の豊永利行からのメッセージが読み上げられる。「豊永は最近涙もろくなっていまして、冒頭から中盤あたりまでの小一時間で3回ほど泣かされました。なんなら劇伴が流れるだけで泣きそうになります。監督に泣きそうになるシーンを1つひとつ熱弁したい勢いです」と作品への思いがつづられていた。同シリーズに初参加となる内山はオーディションではなく、指名の上でキャスティングされたという。「武本監督と鶴岡(陽太)音響監督には、以前も京アニ制作の『甘城ブリリアントパーク』でお世話になっていたので、内山ができることとできないことは十分にわかっていらっしゃるだろうと(笑)。その上でできる限りのことをしようと考えながら臨みました」と今作への意気込みを語った。

武本は中学生時代の遙たちのキャスティングについて「遙、真琴、凛っていうキャラクターを考えたときに、やっぱり島崎さん演じてこその遙、鈴木さん演じてこその真琴、宮野(真守)さん演じてこその凛だろうと。そこはみんなも同じ思いだろうと思ったんです」と口にする。「難しいとは思ったんですけど、そこは『Free!』としても『ハイ☆スピード!』としても大事な譲れないところなんじゃないかと思ったんです」と考えを述べた。

最後に島崎は「初見で観たら気持ちの整理がつかない部分がいっぱいあると思うんですよね。僕は皆さんの『Free!』シリーズへの愛の深さを、今までもものすごく感じて知っているので。だからきっと僕と同じくらい、訳がわからなくなったりしてると思うんですよ。1回だけじゃ全然冷静に観られないんじゃないかなって」とコメント。「でもやっぱり、エンタテインメントとしてポップに楽しめる時間も必要だと思うんです。なので僕は何度も観ていただきたい!(笑)」とアピールする。また「自分が観て感じて、思ったことを何より大事にしてほしい。その気持ちが自分の人生をよくするきっかけや、エネルギーみたいなものになったら、僕は本当にうれしく思います」と客席に語りかける。続けて「これからも『ハイ☆スピード!』、そして『Free!』をよろしくお願いいたします!」とメッセージを送った。

武本は「正直ここに立つまで、皆さまから拍手をいただくまで不安でした。けれど今少しホッとしているのは、ひょっとしたら皆さまが大切にされている『Free!』という世界の中に、この『映画 ハイ☆スピード!』も加えていただけたのかなと。それが本当にありがたいです」と感謝の思いを口にした。「映画 ハイ☆スピード!―Free! Starting Days―」は新宿ピカデリーほか、全国の映画館にて上映中。

(c)2015 おおじこうじ・京都アニメーション/ハイスピード製作委員会

映画ナタリーをフォロー