「継母の心得」は“庭の木”のような分業体制、「電子コミック大賞」受賞で作者がスピーチ

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コミックシーモアが主催するマンガ賞「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2026」の授賞式が、本日2月4日に東京・東京ポートシティ竹芝のポートホールで開催された。

大賞作品「継母の心得」の受賞シーン。右は作者のほおのきソラ

大賞作品「継母の心得」の受賞シーン。右は作者のほおのきソラ

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「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2026」とは

「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞」は、電子マンガのネクストブレイク作品を一般投票で決めるマンガ賞。9回目の開催となる今年は、昨年に引き続き「男性部門」「女性部門」「異世界部門」「ラノベ部門」「BL部門」「TL部門」を設け、出版社54社が推薦した「2026年にヒットしそうな電子コミック」計100作品を対象に、読者から310万を超える投票が行われた。

大賞、男性部門、女性部門、異世界部門、ラノベ部門の授賞式

「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2026」大賞、男性部門、女性部門、異世界部門、ラノベ部門の授賞式より、小芝風花とバッテリィズ

「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2026」大賞、男性部門、女性部門、異世界部門、ラノベ部門の授賞式より、小芝風花とバッテリィズ [高画質で見る]

大賞、男性部門、女性部門、異世界部門、ラノベ部門の授賞式には、コミックシーモアのCMに出演する小芝風花をはじめ、バッテリィズ、コミックシーモアを運営するNTTソルマーレの取締役・炭田真也氏が登壇。受賞作品の作者や関係者に、炭田氏からトロフィーが、小芝とバッテリィズから表彰盾が交互に渡された。

異世界部門賞の受賞作「あなたのお城の小人さん ~御飯下さい、働きますっ~」からは、担当編集の中川健氏が登壇。作者・栗原一実からの「これからも原作小説をマンガという形で精一杯表現し、『小人さん』をより皆様に楽しんでいただけるようがんばります」という決意のメッセージを代読する。同じく異世界部門賞の受賞作「公爵様、悪妻の私はもう放っておいてください」からは、作者の桜乃みかが登壇し、「琴子先生の原作が素晴らしく、私も毎回ときめきながら描かせていただいています。その気持ちをこれからも作品を通して皆様にお届けできるようがんばります」とスピーチ。転生ものが大好きで、本作もドキドキしながら読んだという小芝から作画のこだわりを聞かれると、桜乃は「とにかく女の子をかわいく、男性をカッコよく。読んでくださる方に夢を見てもらえるよう、またドキドキしてもらえるように色気を意識しながら描いています」と答えた。

小芝風花

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女性部門の受賞作「おひとり様には慣れましたので。 婚約者放置中!」からは、作者の晴田巡が壇上へ。「読者の皆様にもコミックシーモアでたくさんのレビューをいただいて、私もそれを読ませていただいて、どこかの誰かの何かのきっかけになっていたり、支えになっていることを日々実感しておりました。この先の作品の行く末も楽しみに待っていただけたらなと思います」と話す。もう一方の受賞作「ベル・プペーのスパダリ婚約~『好みじゃない』と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~」からは、スクウェア・エニックスの佐々木克之氏が登壇。「主人公レティシアの生命力と自由さ、ジルベールの屈折した優しさ、そのコントラストに心奪われたことを昨日のように思い出します」と原作との出会いを回想し、作画のセレンについて「会話劇からアクションまで精緻に描き出すその出力。ある意味、とても欲張りな作品だなという風に思います」と讃える。儚げな外見ながら、内面は“スパダリ”な主人公・レティシアが好みのタイプだというエース。「自由で、何考えてんねやろっていう。『ワクワクするバカが現れたな』と思います」と言い、寺家に「それ、『M-1(グランプリ)』で若林(正恭)さんに言われた言葉!」と突っ込まれた。

バッテリィズ

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男性部門の受賞作「君と宇宙を歩くために」からは、泥ノ田犬彦が登壇し、「この作品は、男子高校生2人の日常にスポットを当てた物語です。今後も、彼らが進んだり立ち止まったりする日常を見守っていただければうれしいです」とスピーチ。小芝は「私も最近、少しムカついたときや悲しい気持ちになったとき、『なんでそうなるんだろう?』ってノートに書くようにしてるんです。その根本的な原因だったり、どうしたら自分が生きやすくなるのか、心穏やかに楽しくいれるのかっていうのをちょっと研究してみようって思ってたタイミングでこの作品を読ませていただいたので、宇野くんのあのメモがすごく今の自分が求めてるものだったとわかりました」と共感を示す。「ホストと社畜」の担当編集・小柳志織氏は、作者・河尻みつるの「本作は住む世界も価値観も年齢さえも違う2人が、午前5時の牛丼屋でおしゃべりをするだけの物語です」「どこまでも静かで何気ない物語が、忙しく日々動く皆さんの目に留まり、こうして応援していただけたことは作者としてこれ以上ない励みになりました」というメッセージを代読。寺家は「僕もけっこう夜勤のバイトをしてたんで、朝5時の牛丼屋って感情移入するものがありました」と話し、実写化してほしいとも期待を寄せる。すると、小芝はメインキャラクター2人の交流をこっそり見守る牛丼屋の店員役にすかさず立候補した。

「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2026」授賞式の様子

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大賞を受賞したのは、トール原作、藤丸豆ノ介構成によるほおのきソラ「継母の心得」。作画担当のほおのきは「この分業体制は、庭に植えられている木のようだと感じます。作画担当の私は、恐れ多くも花を咲かせる役目を任されていますが、花を咲かせるには藤丸先生の構成・ネームという無数の枝があり、さらに奥にはトール先生の原作という根っこがあります。土台を作ってくださるのは編集者や業界の方々、そして水や太陽は読者様からの応援の声です。親の愛情で子供が育つように、この作品もたくさんの方々とともにこれからも成長し続けたいと思っております」と、作品に携わるすべての人々への感謝を美しい比喩に乗せて語る。

大賞作品「継母の心得」の受賞シーン。右は作者のほおのきソラ

大賞作品「継母の心得」の受賞シーン。右は作者のほおのきソラ [高画質で見る]

この作品の一番の魅力については、「子供たちの成長を見られるところや、周りの大人たちもすごく優しいところ。これから物語が深まるにつれトラブルもあると思うんですけど、みんなが利他的な行動をし続けることで、それから得られる癒しがあると思います」とコメント。その後は「継母の心得」のさらなる飛躍を祈願し、特大クラッカーを鳴らしたり、本作に関するクイズコーナーを展開したりで盛り上がった。

小芝風花&バッテリィズから授賞式を終えて

授賞式後には、小芝とバッテリィズが代表質問に応じる。普段はマンガおろか、文字もあまり読まないというエースだが、「転生系がこんなに多いのに、どんだけ全部おもろいねん!って思いました」とレベルの高さに感心する。寺家は「自分が子供がいることもあるので、大賞作品の『継母の心得』はハマってしまいましたね。ビジネス的にグッとくるアイデアの描写もあって大人心もくすぐられました」と称賛。小芝は「転生系が大好きなので、この『電子コミック大賞』は異世界部門があるところもうれしいポイントです。大賞作品もそうですし、受賞作品も転生ものが多かったので、今日はいい作品をいっぱい知れてホクホクでした!」と笑顔を見せた。

BL、TL部門の授賞式

左から小野友樹、たかはし智秋、白井悠介

左から小野友樹、たかはし智秋、白井悠介 [高画質で見る]

BL部門とTL部門の授賞式にはNTTソルマーレの取締役・炭田氏に加え、小野友樹たかはし智秋白井悠介が出席。BL部門賞は「愛の温度を教えてよ」「夜明けがいちばん暗い」、TL部門は「今から、親友やめようか。~腐れ縁同僚は甘い快楽で私を壊す~」「身代わり姫は隣国の勇猛王に溺愛される」が受賞したと発表され、各賞の作家や担当編集者が登壇した。

また授賞式では、BL部門賞とTL部門賞の受賞作に声優陣が生アテレコ。「愛の温度を教えてよ」では朝桜悠真に白井、橘戒に小野、「夜明けがいちばん暗い」ではタカヤに白井、サイトーに小野が声をあてる。アフレコ後、「愛の温度を教えてよ」について白井は「2人の出会いがパパ活から始まるというところがすごく斬新だなと。朝桜悠真くんは単なるパパ活への興味ではなく、どこかで戒くんに惹かれるところがあるんですよね。それがなぜなのか、物語が進むにつれて明らかになっていくところに引き込まれます」と分析する。「夜明けがいちばん暗い」について小野は「白井くんの演じたタカヤがかわいい! 彼のかわいさをもっと見たいし、サイトーをもっと演じたい!」と今後の展開へと意欲。白井は作者・山田ノノノの過去作のドラマCDに参加しており、「またドラマCD化される際にはぜひ!」と売り込んだ。

生アテレコの様子

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「今から、親友やめようか。~腐れ縁同僚は甘い快楽で私を壊す~」のアフレコではたかはしがひまり、白井が和巳、「身代わり姫は隣国の勇猛王に溺愛される」ではたかはしがティアナ、小野がオーガストという配役で一連のシーンを演じた。アフレコ後、「今から、親友やめようか。~腐れ縁同僚は甘い快楽で私を壊す~」の感想を述べていると、たかはしが「一言だけ、先生に強く言いたいことがあります」と唐突に切り出す。不穏なテンションに周囲が驚く中、飛び出したのは「私、和巳くんとひまりちゃんの結婚式に出たいです!」という切実な願い。「参列者でも、なんなら司会のような立場でもいいです。たかはし智秋をこの世界に入らせてください!」との熱烈なオファーに、客席にいた作者・につやまにつこも「ぜひ、参列してください!」と快諾した。

続けて、たかはしは「身代わり姫は隣国の勇猛王に溺愛される」についてもその魅力を熱弁。「この作品、オーガスト様が完璧です! そのうえ、悪役という悪役が出てこない。出てきても、ちゃんと倫理に適っているんです。それだからラブストーリーがスムーズに進んでいって、すごく面白かったです」と語る。また後輩として親交の深い小野がアフレコで演じたオーガストについても、「おのゆう(小野)のイケメン役を初めて見たかも(笑)。あまり演じているイメージがなかったので新鮮でした。『あ、カッコいいんだ』って思いました(笑)」と、茶目っ気たっぷりに評価を下した。

生アテレコの様子

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「電子コミック大賞」の授賞式に初参加の小野は、「受賞作品の素敵さを、僕らのアフレコを通して少しでもお伝えできていればと思いながら、精一杯演じさせていただきました」と真摯に挨拶。一方、3年連続で授賞式に立ち会っているたかはしは「10回、30回と続いてほしいです。いつでも駆けつけさせていただきますので、ぜひ今後ともよろしくお願いします!」と力強く宣言する。同じく3年連続参加の白井も「来年も、そしてゆくゆくは『電子コミック大賞』大使の座も狙っていきたい」と野望をチラつかせ、さらなる続投への意欲を見せてイベントを締めくくった。

関連する特集・インタビュー

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「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2026」受賞作品

大賞

ほおのきソラ藤丸豆ノ介、トール「継母の心得」

「男性部門」

泥ノ田犬彦「君と宇宙を歩くために」
河尻みつる「ホストと社畜」

「女性部門」

晴田巡、荒瀬ヤヒロ「おひとり様には慣れましたので。婚約者放置中!」
セレン、朝霧あさき「ベル・プペーのスパダリ婚約~『好みじゃない』と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!~」

「異世界部門」

栗原一実、美袋和仁、п猫R「あなたのお城の小人さん ~御飯下さい、働きますっ~」
桜乃みか、琴子「公爵様、悪妻の私はもう放っておいてください」

「BL部門」

Hiカロリー「愛の温度を教えてよ」
山田ノノノ「夜明けがいちばん暗い」

「TL部門」

につやまにつこ「今から、親友やめようか。~腐れ縁同僚は甘い快楽で私を壊す~」
鳴神ゆった、佐倉紫「身代わり姫は隣国の勇猛王に溺愛される」

「ラノベ部門」

冬馬亮、ありおか「あなたの愛など要りません」
蒼井美紗、緋原ヨウ「図書館の天才少女 ~本好きの新人官吏は膨大な知識で国を救います!~」

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