東村の自伝的作品である「かくかくしかじか」は、女子高生の林明子が、美大受験のために訪れた絵画教室でスパルタな先生・日高健三らと出会い、進学や就職を経験しながらマンガ家の道を歩むまでを描いた物語。2011年から2015年までCocohana(集英社)で連載され、2015年には「マンガ大賞2015」大賞と「第19回文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門を受賞した。
「かくかくしかじか」は映像化の話が絶えなかったが、東村が“完璧な形での実現は不可能だろう”と断り続けていたという。そんな同作の実写化に至った経緯を、東村は「今回、永野芽郁さんが明子をやってくださるというお話をいただいた時『演技力がすごいあの永野さんが演じてくださるなら、すごくいい作品になるはずだ』という確信めいたものが生まれて、そのためなら私も制作に全力で関わろうと思いお受けしました」と語る。また日高役に大泉をキャスティングしたのも、東村のリクエストによるもの。東村は自ら脚本を執筆したほか、映画の中の絵やデッサンすべての美術監修も行った。東村のほか永野、大泉、関監督からはコメントが到着している。
また特報映像も解禁に。絵を描くことにだけは自信がある明子は、マンガ家に向かって輝かしい人生を送ることになると信じて疑わない。しかし絵画教室で出会った日高からは、大声で「描け!」と怒号を飛ばされ竹刀を振り下ろされる日々。2人は愛憎を超えた特別な関係を築いていき……。特報映像のナレーションは。東村原作のアニメ「海月姫」で倉下月海役を務めた
映画「かくかくしかじか」特報
東村アキコ(原作・脚本)コメント
私の代表作であり、自伝的作品でもあるかくかくしかじかがこの度、映画化することになりました。
映像化の話は前からいろいろありましたが、今まではお断りすることが多く、また、テレビドラマとなると宮崎ロケ、金沢ロケ、東京ロケという三都市を跨ぐ撮影がかなり大変なので、これまた無理だろうなとか、まあとにかく、油絵とかデッサンもたくさん用意しないといけなかったりもあるし、地味な漫画のようで、実は映像化にはけっこう大変な要素が多いストーリーなので完璧な形での実現は不可能だろうと思って……それで今まではお断りしておりました。
でも今回、永野芽郁さんが明子をやってくださるというお話をいただいた時「演技力がすごいあの永野さんが演じてくださるなら、すごくいい作品になるはずだ」という確信めいたものが生まれて、そのためなら私も制作に全力で関わろうと思いお受けしました。
日高先生役には大泉洋さんを、私からのキャスティングリクエストでお願いしました。このお二人を中心に、絵画教室の風景を関和亮監督が本当に瑞々しく、永遠の記憶のような映像で撮ってくださいました。
私も連載を休んでロケハンから撮影から全て参加しました。映画の中の絵やデッサンは私が全て美術監修させていただいてます。大変でしたが、永野芽郁の明子を観たいがためにやらせていただきました。
公開はまだ先ですがどうぞよろしくお願いいたします。
永野芽郁(林明子役)コメント
今作は、東村先生と恩師との時間を描いた作品ですので、人の人生を演じることにいつもに増して責任を感じますし、私が演じることによって、先生の過ごしてきた時間が違うものになってしまうことは絶対にしたくなかったので、原作もそうですし、先生がお話ししてくださることも、佇まいも、毎日勝手に観察しながら過ごしていました。漫画家の役は以前も演じたことがあったので、久しぶりにGペンを持ったり、ベタを塗ったり、トーン張りしたり、お芝居を忘れて没頭しました。笑
大泉さんとの共演は、教室で竹刀を持っている姿が原作から出てきたのではないか、と驚くほどぴったりで感動したのを覚えています。そして当然と言えばそうかもしれませんが、カメラが回ってない時はとにかく楽しくお話ししてくださるのですが、カメラが回るともうほんとに怖い。いつ竹刀が飛んでくるかわからない先生に切り替わるので、俳優として傍で見ていてすごく刺激になりました。
誰しもがちょっと分かるな、と思ってもらえるような、笑えてじんわり涙する映画ができたと思います。そしてきっと自分の恩師に会いたくなると思います。劇場でご覧いただけると嬉しいです。お楽しみに!
大泉洋(日高健三役)コメント
かくかくしかじかという、東村作品の中でも、ファンからの支持の熱い作品に出演させていただき、オファーをいただいた時には、喜びと、プレッシャーに溢れておりました。
しかしながらいざ撮影に入りますと、現場に付きっきりで、当時の本当の様子を教えてくれる東村先生のおかげもあり、とにかく楽しい日々でございました。
日高先生と、明子との、長きにわたる絆と、複雑な愛情を、
永野芽郁ちゃんと共に、繊細に、でも底抜けにコミカルに演じられたと思っております。
原作ファンの皆様にも、まだ読んでいない皆様にも、自信をもって、おすすめできる作品です。
どうぞ公開を、楽しみにしていてください。
関和亮監督コメント
「かくかくしかじか」を映像化することができました。
永野芽郁さん、大泉洋さんが演じるということ、東村アキコさんが脚本担当すること、
そんな奇跡がこの作品を映像化に導きました。
人生における先生という存在は誰の中にもあるかと思います。
そんな先生を思いながら観ていただけたら幸いです。
ぜひ劇場に足をお運びください。
映画「かくかくしかじか」
2025年5月16日(金)全国ロードショー
出演:
原作:
監督:
脚本:東村アキコ、伊達さん
音楽:宗形勇輝
配給:ワーナー・ブラザース映画
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