「トラペジウム」高山一実＆監督が見つめ合って無言の頷き、オーディションで確信得る

アニメ映画「トラペジウム」のプレミア試写会が、本日4月25日に東京・新宿バルト9で開催され、原作者の高山一実、主人公・東ゆう役の結川あさき、工藤真司役の木全翔也（JO1）、篠原正寛監督が登壇した。

高山は「こんなに大きなものになるとは。ありがたいなという思いでいっぱいです」と感慨深げな様子。アニメ映画にもしっかり携わったそうで、「小説では見えなかった風景や雰囲気について、どんな感じかと聞いていただけたのがすごくうれしくて。私もそれに応えたいなと思って意見を挟ませていただきました」と述べる。完成したアニメ映画については「原作と全然違うものになっていて、同じ東でも雰囲気がけっこう変わっています。それぞれ魅力があるので、どちらのキャラクターが好みとかの感想もいただけたら」と呼びかける。

ゆい役にオーディションで抜擢された結川は、本作が初の映画にして初主演。結川は「緊張や責任の重みを感じましたが、高山さんはじめ、監督やスタッフの皆さんに選んでいただいたという事実が何よりとてもうれしくって。アフレコの経験も少ない頃だったので、拙いところもけっこうあったと思うんですが、皆さんが優しく声をかけてくださいました。高山さんからは何度か『ゆうそのままです』というお言葉をいただけて、それがとっても私の力になりまして。その言葉を胸にしながら収録にがんばって臨みました」と振り返る。

結川のオーディションに立ち会った高山と篠原監督。篠原監督は「最初にテープで声を聞かせていただいて、その時点で『結川さん、すごくゆうだね』という話を高山さんやスタッフたちとしていて。実際にスタジオでオーディションしたときに、近くに座っていた高山さんと『あ、ゆうですね』というふうに確信しました」と回想する。高山は「結川さんの第一声があったときに、……（篠原監督と目を合わせて無言で頷くジェスチャー）したことを覚えてます。雰囲気がゆいそのものでした」と続けた。

オーディション番組を経てデビューを掴み、ボーイズグループ・JO1として活動する木全。オファーを受けたときの心境を「すごいびっくりしました」と明かし、完成したアニメ映画の感想を「僕の人生とかぶる部分もあって、すごい泣きながら観ました。真司を僕を巡り合わせてくれて感謝の気持ちでいっぱいです」とまっすぐに伝える。

ゆいはアイドルになるという夢を叶えるために全力なキャラクター。元乃木坂46の高山は「私自身いろんなオーディションを受けていたので、ゆうの泥臭さは重なる部分があります」と共通点を語るが、「小説の東にはけっこう自分の思いを反映させていただいて、私が4割ぐらい入ってるのかな？ でもアニメ版のゆうは私から完全に独立してくれたので、あまり重なる部分はなかったです。だからこそ、とあるシーンの優を観て素直にかわいいと思いました」と話した。

イベントでは伊丹秀一を演じる内村光良のビデオメッセージを上映。伊丹は観光客のガイドボランティアで外国語通訳をしているおじいさんという役どころだが、内村は「本編では一切英語は話してません！ オール日本語で話してます」と言って笑いを誘う。高山は「内村さんの持ってらっしゃる優しさみたいな部分は伊丹と共通してる部分だと思うので、改めて内村さんに演じていただけてよかった」と感謝を述べた。

篠原監督からは「小説から感じた味や毒を大事にしながら、小説で描ききれなかったもの、もっと描きたかったものをアニメでやれたらいいなと思い、シナリオ段階から高山さんの意見を聞きながら作っていきました」という言葉も。最後に高山は客席を見渡し「今日皆さんが時間をかけて作ってきてくれたうちわやコメントを見て素敵だなって思いましたし、アイドルって私は好きだなって感じた時間でした」と笑顔を浮かべる。また「烏滸がましいですが、『トラペジウム』は皆さんの背中を押せるような物語を作りたいなと思って書いた作品です」と原作に込めた思いを述べ、アニメ映画を「いろんな人の思いと時間が詰まった作品です」と送り出した。

「トラペジウム」はアイドルを目指す高校生・東ゆうが、東西南北の美少女を集めながら自らの夢に向かって進んでいく物語。5月10日に全国公開される。

アニメ映画「トラペジウム」に原作者・高山一実が感激「こんなに大きなものになるとは」

アニメ映画「トラペジウム」内村光良コメント映像