本日8月27日に公開されたアニメ映画「
ある事情で家を出てきた17歳の少女ユイと、両親を事故で亡くしたショックで声を失った8歳の少女ひより、そんな2人を家族のように迎え入れる不思議なおばあちゃん・キワさんの共同生活を描く「岬のマヨイガ」。原作小説は岩手県に生まれ、現在も岩手に住む柏葉が、東日本大震災をモチーフに2015年に発表した日常ファンタジーの意欲作だ。今回公開された場面カットには、古民家の縁側で一息付くユイ、ひより、キワさんの3人と、“ふしぎっと”と呼ばれる優しい妖怪たちの姿が収められている。
柏葉は小説を発表した当時を振り返り「私は面白かったといっていただきたくて物語を書いています。『岬のマヨイガ』も被災地のお子さんたちに面白かったといっていただきたかったのです。でも、あの震災から四年後に出していただいたこの本は、面白いとはいっていただけませんでした。がっかりして、悲しくて、情けなくて、自分の力のなさにうなだれました」と話し、「ですのでアニメに!というお話をいただいた時は、本当にうれしかったです」と今回のアニメ映画化のオファーへの喜びを語った。
さらに完成した映画について「皆さんに観ていただきたいです。そして、十年前、こんな大変なことがあったんだと知ってほしいです」と述べる。「誰かとつながることで、誰かを大切に思うことで、何かに立ち向う勇気がわくのです。コロナ禍の今、誰かとつながるのは難しいかもしれません。でも、この映画で、誰かを大切に思う気持ちを思い出してください」と作品へ込めた思いを伝え、「あなたも私も、大切な誰かのために、『心配しなくていいんだぞ』と、かけだすことができますように」とメッセージを送った。
なおコミックナタリーでは映画「岬のマヨイガ」の公開を記念し、五十嵐大介と押切蓮介に同作を鑑賞してもらいイラストと感想を寄稿してもらった。2人が「岬のマヨイガ」から何を感じたのか、それぞれ異なるテイストで描かれたイラストと合わせて楽しんでほしい。柏葉幸子(原作者)コメント
アニメ映画化の依頼を受けたときの感想
私は面白かったといっていただきたくて物語を書いています。「
完成した映画をどんな人に観てほしいか?
皆さんに観ていただきたいです。そして、十年前、こんな大変なことがあったんだと知ってほしいです。十年前被災地といえば三陸のことでした。なのに、今、被災地と呼ばれる所があちこちにあります。今、被災地と呼ばれる所で暮らしている方にも、復興途中の方にも、何事もなく無事に暮らしている方にも観ていただきたい。誰かとつながることで、誰かを大切に思うことで、何かに立ち向う勇気がわくのです。コロナ禍の今、誰かとつながるのは難しいかもしれません。でも、この映画で、誰かを大切に思う気持ちを思い出してください。カッパも四家のお地蔵さんも狛犬たちも「すんぺすな」とかけつけます。あなたも私も、大切な誰かのために、「心配しなくていいんだぞ」と、かけだすことができますように。
アニメ映画「岬のマヨイガ」
2021年8月27日(金)全国ロードショー
スタッフ
原作:柏葉幸子「岬のマヨイガ」(講談社刊)
監督:
脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン原案:賀茂川
ふしぎっとキャラクター原案:丹治匠
キャラクターデザイン・総作画監督:清水洋
美術監督:畠山佑貴
色彩設計:水野愛子
CGディレクター:高野慎也
撮影監督:渡辺有正
編集:長谷川舞
音楽:宮内優里
音響監督:木村絵理子
録音調整:内田誠
音響制作:東北新社
統括プロデューサー:高瀬透子
プロデューサー:松尾拓、竹枝義典、岩崎紀子
制作:david production
製作:「岬のマヨイガ」製作委員会
配給:アニプレックス
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業) | 独立行政法人日本芸術文化振興会
キャスト
芦田愛菜、粟野咲莉、伊達みきお(サンドウィッチマン)、富澤たけし(サンドウィッチマン)、宇野祥平、達増拓也(岩手県知事)、天城サリー、大竹しのぶ
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「岬のマヨイガ」原作・柏葉幸子が思い語る「誰かを大切に思う気持ちを思い出して」(コメントあり) - コミックナタリー 本当に原作これなんだ https://t.co/VNPClNFd92