「ジェンダーレス男子に愛されています。」は完璧な見た目のジェンダーレス男子・めぐると、そんな彼のことが大好きすぎる恋人の社会人女性・わこを描いたラブコメディ。フィール・ヤング(祥伝社)で連載されており、単行本は2巻が発売されたばかりだ。イベントの最初はためこうと、フィール・ヤングの担当編集が登壇した。
ためこうは本作が生まれた経緯について「フィール・ヤングで連載をするという話にはなってたんですが、内容はまったく考えていなくって。そのときスチュワーデスものにハマってたから、『スチュワーデスを描きたいです』って言ったんです(笑)。でもめちゃくちゃ忙しくて取材する時間がない。どうする?ってなったときに、担当さんが『美しい男の子を描くのはどうですか?』って新しい案をくれて。それでジェンダーレス男子という日本語が出てきて、その後はポンポンポンって決まっていきましたね」と説明。壇上のスクリーンでは、初期に描いたキャラクターラフが公開される。スライドを眺めながら、ためこうは「めぐるくんはかわいいより、美しいという方向で描いていた気がしますね」と話す。
ここでジェンダーレス男子と呼ばれ、俳優やモデル、アーティストなどとして幅広く活躍する
とまんはジェンダーレス男子の定義について、「僕自身、定義付けはまったくしていなくて。自分からジェンダーレス男子だと発信したことはなく、周りの方々に言っていただけてるだけなんです。街に出てても原宿系のかわいい子がいたり、表参道を歩けばおしゃれにメイクをしてる綺麗な人もいて。でもたぶん、何かひとつを挙げるなら“自由”なのかなって思います。ファッションだったり感性が自由で、周りの目を気にしないで表現してる人たち」とコメント。これを受けてためこうは、めぐる、ささめ、キラの3人がお泊まり会をする最新話について言及。「キャラクターが『これって女子会? 男子会?』と疑問を持つシーンがあるんですけど、打ち合わせのときに担当さんが『“ジェンダーレス会”にしたらいいんじゃないですか?』って言ってくださったんです。でも私は、めぐるたちは自分たちのことをジェンダーレス男子と思ってないようにしたくて。彼らは好きなことをやっていて、なんとなく似たような人が集まったというふうにしたかったから、あえてあのシーンは女子会か男子会か結論づけませんでした」と述べ、とまんとジェンダーレス男子の解釈について意見を一致させた。
ためこうがBLマンガ界で活躍しているという話題になると、とまんは「ジェンダーレス男子って、男性が好きなんですか?って聞かれることも多いんです。たしかに男性と恋愛してるほうが想像しやすいはずだから、BLで作りやすいじゃないですか。でも『ジェンダーレス男子に愛されています。』は女性との恋愛を描かれていたので、驚きとうれしさがありました」とコメント。ためこうは「フィール・ヤングでの連載だから、BLじゃないものをやりたかったんです。中性的な男子を描くことは決めてたけど、BLにはならないように気を付けてました。めぐるたち3人は仲はいいけど恋愛関係にはならないです」と断言した。
イベントでは、ためこうが今後の参考としてとまんに質問するコーナーも。「めぐるくんがかわいさを保ったり磨いたりするためにオススメしたい美容法は?」と聞かれたとまんは、「めぐるくんは十分かわいいので僕がオススメすることはないんですけど、みんなに勧めたいのは白玉点滴」と紹介する。登壇者たちは「白玉点滴はめぐるくんよりキラくんがしてそう!」と盛り上がり、とまんも「どちらかと言うと、僕自身もめぐるくんよりキラくんっぽいのかなって思います」と主張。またとまんは「でも何より、点滴してる自分が好きなんです(笑)。美容に費やしてる時間が一番満たされてるなあって思います」と話し、ためこうと担当編集を「はああ……! 」と感心させた。
とまんは「これからもっともっとこの『ジェンダーレス男子』を皆さまが盛り上げてくださったら、実写化とかもあるのかなあって思います。なので、僕以外をキャスティングさせないようにこれからもがんばりたいです(笑)。ジェンダーレス男子って皆さんが見つけてないだけで世の中にいっぱいいると思うので、温かい目で見て、たくさん愛していただけたらと思います」と挨拶。とまんが一足先に退場した後、ためこうは「いやあ、カッコええ。カッコよかった……。本人に言うのはあれですけど、話してると“オスみ”ありましたよね……」としみじみ。担当編集から「マイクで聞こえてますよ!(笑)」と突っ込まれ、イベントは和やかに幕を閉じた。
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【イベントレポート】ためこう「ジェン愛」語り、リアルジェンダーレス男子・とまんに“オスみ”感じる
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