会見にはうずまきナルト役の
話題は公演内容へと移り、巳之助は「全72巻という原作の物語を3時間弱の上演時間に収めなければならないので、『ここをやらねばなるまい』という選りすぐりの場面をやっています。冗談抜きでノンストップで進みます」と解説。隼人が「今回はアクション部さんに何人も入っていただき、歌舞伎ではなかなかないようなアクションが多い」と述べる。その発言に巳之助も同意し「我々2人も原作を好きで読んでいた身なので、ファンの方々にがっかりして欲しくないという気持ちでやっています」と率直に語った。
演出を
ここで記者から、大盛況で幕を閉じた「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」の話題が持ち出される。巳之助は「極端に言えば、『ワンピース』の作風が“陽”なら、『NARUTO』は少し“陰”の部分がある作品で、じっくり濃密な物語を楽しんでいただける作品に仕上がったと思います。まったく違う作品として観ていただけたら」とアピールする。また「もし本当に忍者になったらやってみたいことは?」という質問が飛ぶと、巳之助は「多重影分身ですかね(笑)。ナルトの影分身の特徴は分身が元に戻ったときに、分身が経験してきたことが自分に還元されるんです。1000人に分身して1時間稽古したら1000時間稽古したことになるという」と回答。その答えに、隼人も「いいですよね。セリフ覚えるのも楽になりますよ(笑)」と乗っかった。
最後に巳之助は「始まったら終わるまですべてが見どころで、スピーディかつ濃密な作品です。原作をご存知ない方にも楽しんでいただけると思います、ぜひ足をお運び下さい」と挨拶。隼人は「暑い時期ですが、舞台に水が流れて涼しいシーンもありますので、どうぞよろしくお願いします!」と呼びかけ、囲み取材を終えた。
公開舞台稽古では巳之助や隼人のほか、綱手役の
その十数年後、忍者学校を卒業した下忍のナルト、サスケ、サクラは、上忍であるカカシのもと、里の転覆を狙う宿敵・大蛇丸の陰謀を阻止する任務に就いた。危険な禁術を習得している大蛇丸との戦いに苦戦するナルトたちだったが、大蛇丸と同様に“伝説の三忍”と呼ばれた自来也、綱手が参戦し、勝負は拮抗。また三者の口寄せの術によって、城壁の裏に巨大な蛇や蝦蟇(がま)、蛞蝓(なめくじ)が出現した。
第二幕ではナルトは自来也に、サクラは綱手にそれぞれ師事し、忍として強くなるための鍛錬を開始。この場面では修行の様子が舞によって表現される趣向が凝らされる。一方のサスケは大蛇丸を利用して、一族を滅ぼした実の兄・イタチへの復讐を実行に移そうとしていた。
その後、各里の“抜け忍”など、猛者が集められた組織・暁を率いるマダラが登場。復讐心に取り憑かれたサスケをなんとか奪回しようとするナルトと、それを食い止めようと立ちふさがる暁メンバーの干柿鬼鮫、そしてイタチとサスケの因縁の兄弟対決が展開される。ナルトが得意とする“多重影分身の術”は複数の役者が登場する演出によって再現され、ナルトの螺旋丸やサスケの千鳥といった必殺技やサクラによる医療忍術は俳優が手に持った発光する小道具で表現。また大掛かりな忍術や、ナルトが怒った際に力の制御が効かなくなる“九尾化”にはプロジェクションマッピングが用いられた。
第三幕の大詰では、超越的な力を得たマダラ、そしてナルトとサスケとの死闘が繰り広げられる。スピーディな大立廻りと3人による見得が披露され、さらに演出に本水が使われた熾烈なバトルを見ることができる。
全三幕を通し、巳之助は禍々しい九尾の力に取り込まれそうになりながらも、“己の忍道”を貫き通す熱血漢のナルトをまっすぐに、ときにコミカルに演じきった。隼人は自らの復讐のために心を殺すサスケの陰の部分をスマートに演じてみせ、サスケがうちは一族の隠された真実に翻弄されるさまを体現した。
新作歌舞伎「NARUTO-ナルト-」
日程:2018年8月4日(土)~27日(月)
会場:新橋演舞場
スタッフ
原作:
脚本・演出:
キャスト
うずまきナルト:
うちはサスケ:
綱手:
大蛇丸:
春野サクラ:
うちはイタチ:
はたけカカシ:
自来也:
うちはマダラ:
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