テレビアニメ「影鰐-KAGEWANI-」の上映イベント「影鰐 LIVE 上映 2.8 猿楽ナイトツアー」が、6月30日から7月6日までの1週間限定で、東京・テアトル新宿にて行われた。コミックナタリーでは、その最終日の上映の模様とトークショーをレポートする。
「影鰐-KAGEWANI-」は、“奇獣”と呼ばれる人々を襲うUMAと、その存在を追い続ける人間のドラマを描いたパニックホラーシリーズ。イベントでは、編集されたテレビ放送版に新作パート、そして役者たちの迫真の演技を交え、「邪悪なディズニーランドみたい」とフリーライターのマフィア梶田に言わしめるほどの上映を実現した。
本イベントにおける新作パートは、2016年放送の第2作「影鰐-KAGEWANI-承」から少し時が経ち、廃墟となった猿楽製薬に興味本位の青年たちが潜入するという内容。観客はそのツアーに参加しているという体だ。ツアーの企画者などはスクリーン内だけでなく劇場にも登場し、役者たちがスクリーン前や客席の通路で所狭しと演技し、物語を紡いでいく。
猿楽製薬地下のマシンにエージェント・木村雅貴が残していた映像としてテレビ放送版をダイジェストで振り返りつつ、ツアーはいよいよハイライトへ。スクリーン内でツアー参加者が咳き込み始めると同時に、客席からも咳き込む女性が現れ、奇獣へと変身。さらに暴れまわるそれを排除しようと特殊部隊も乱入し、奇獣と人間の激しい戦いが劇場内で展開する。その後はシリーズを通じての主役である番場宗介らが活躍する新作パートがスクリーンで上映され、アニメと現実世界をまたいだ、摩訶不思議な上映は幕を下ろした。
上映後にはトークショーを実施。特殊部隊“掃除屋”の隊長・レナ役の
話題の中心はやはり特殊な上映スタイルについて。「影鰐-KAGEWANI-」シリーズに初出演した石川は「映画館でスモークをたくことなんてまずないし、客席から感染者が出るなんて。ハラハラした」と興奮気味に語り、あろまほっとも「映画より舞台に近い感じで、お客さんを巻き込めてすごい。できれば客席側で観たかった」とコメント。高嶋は、客席から奇獣が現れた際にガタイのいい男性が「キャー」と叫んでいたエピソードを挙げながら、「VRを超えた」と自負する。
それでも高嶋が「(いろんな感覚に訴えてくる)4DXも味覚までは攻めてこない。だから(今回は販売されていた)奇獣化を予防するドリンク『GDKZ』を、最初は全席に置いておきたかった(が断念した)」と明かし、熊本も「掃除屋の話はさらにボリュームがあったが、尺の都合で削った」と悔やむなど、当初の想定通りにはいかないこともあった様子。しかし観客の満足度は高かったようで、本公演のソフト化に話が及ぶと会場ファンは大きな拍手でその需要をアピールする。また会場には本上映に1週間通い続けたという熱心なファンもおり、マイクを向けられると「日によっては(現実の)特殊部隊の手がもげたり、スモークが増えていったり……“影鰐”は進化し続けるんだなと」と感慨深げだった。
今回の上映に際し「新作パートを入れるなら、3期につながるような話を盛り込みたかった」という高嶋。その言葉通りに本作のラストは番場らレギュラーキャラクターが登場し、さらなる展開を予感させる内容となっていた。マフィア梶田からその3期でやりたいことを問われると、高嶋は「番場は奇獣化した人たちを引き連れて、彼らが生きる場所を作ろう、導こうとしている」「そんな番場を立てつつ、より若い世代の苦悩や冒険も描きたい」と語りファンの期待を煽った。
最後の挨拶では、スタッフ陣が本作の上映を積極的に盛り上げたテアトル新宿や役者たちへの感謝を述べる。そしてマフィア梶田が「影鰐は神出鬼没。終わったと見せかけて、みなさんの声援が高まればまた出没するかもしれません」と意味深なコメントを残し、トークショーは終了した。
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