「毛虫のボロ」は、「虫からみた世界を描いてみたい」という思いを長年温めていた宮崎が原作、脚本、監督を担当した14分20秒の短編アニメーション作品。道ばたのボロギクについた卵から産まれた、1mmにも満たない毛虫の赤ちゃん・ボロから見た世界の姿を描く。劇中の音声は、ラストに流れる久石譲のピアノ曲以外、ボロの声や効果音などすべてを
本編の上映前には美術館の館長・安西香月氏が登場し、宮崎のコメントを代読。「小学生のとき、植物の光合成について教えられて、光合成はどう見えるのかズーッと気になっていました」というコメント部分について安西氏は「小学生の頃に習った光合成のことをこんなに覚えているんだなと思って、『私も親に顕微鏡を買ってもらって見てました』と監督に話したんです。そしたら『違うよ、僕は光合成が見たいわけじゃないんだ』とおっしゃるんですね」と宮崎との会話を披露。「でもこう書いてありますよと言ったら『君とは違う。光合成は常に動いてできているもので、僕はその動きをずーっと気にしてここまでやってきて映画にしてみたんだよ』と言われて」と続け、「67年間ずーっとこれを思い続けていて、(映画を)作られたんだな」と感嘆する。なおコメントの中で、宮崎は「タモリさんなくては、この映画は完成しませんでした」とタモリへの感謝を述べた。
そして安西氏は「一部ですでに報じられていますが、宮崎駿が初めてCGを使っております。結果としては一部分、使ってみたいところに使ってみたという形になっているんですが、空気をゼリーのように描いていて、そういう部分をCGで作ってます」と語り、「おそらく皆さまが観たことのないような映像になっています」と期待を煽る。上映後には、劇中に登場する昆虫のパネルや、本作のイメージボードなどを展示したギャラリーが取材陣に公開された。
「毛虫のボロ」は三鷹の森ジブリ美術館の映像展示室・土星座で、3月21日から8月末まで上映される予定。美術館への入場は日時指定の予約制で、チケットはローソン店頭、ローソンチケット、電話にて販売される。7月から8月のチケットは、先行抽選販売が行われる。また本日より「毛虫のボロ」展が2Fギャラリーにて開催中だ。
宮崎駿コメント
生まれたばかりのちっぽけな毛虫に世界はどう見えているのでしょう。
小学生のとき、植物の光合成について教えられて、光合成はどう見えるのかズーッと気になっていました。
毛虫には空気の粒は見えるのかなぁとか、葉っぱをかじった時はゼリーのような味がするのかなぁとか、狩人蜂は今の戦場でとびまわっている無人攻撃機みたいなものかなぁとか……。
それでこんな映画ができてしまいました。
さいごまでつきあってくれたスタッフと、ノボロギクを教えてくれた家内と、音をあててくれた
タモリさんなくては、この映画は完成しませんでした。
ありがとう
2018年3月11日
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湯浅政明 @masaakiyuasa
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