バットマンが戦国時代で剣を振るう？叶姉妹も「突っ込みどころ満載」と魅力語る

劇場アニメ「ニンジャバットマン」（原題：BATMAN NINJA）の制作発表会が、本日12月1日より千葉・幕張メッセにて催されている「東京コミコン2017」内にて実施。イベントには監督の水崎淳平、脚本を務める中島かずき、キャラクターデザインを担当した岡崎能士が登壇した。

去る10月に行われた「New York Comic Con」にて、謎のプロジェクトとして発表された「ニンジャバットマン」。アーカム精神病院にヴィランが集結したことを突き止めたバットマンが、謎の装置が発する光に飲み込まれ、戦国時代の日本にタイムスリップしてしまうというストーリーが繰り広げられる。アニメーション制作は神風動画が担当。

水崎監督は「New York Comic Con」でトレーラーを公開した際を振り返り、「『バットマン』って本国の方にとっては神話のような作品なので、怒られるんじゃないかって不安になってたんですけど（笑）、すごくアツい声援をいただきました」とコメント。岡崎が「僕らが『ここで驚くだろう』と思ったシーンで驚かなかったり、全然違うシーンで驚いていたり」と観客の反応を思い返すと、中島も「日米での文化の差はありましたよね」と同意する。水崎監督も「どのキャラクターに思い入れがあるかが、日米で違うんだなと思いました。ロビンが出てくるとけっこう喜んでましたよね」と観客の新鮮な反応について語り合った。

同作では戦国大名と入れ替わり、歴史を改変しようとするジョーカーら悪党たちにバットマンが立ち向かうストーリーを展開。中島は「プロットを出したときに、『ダメだ』って言われると思ってたら通っちゃったもので、『もう知らないよ（笑）』と思いながら作った作品」と笑みを浮かべる。キャラクターデザインのこだわりを問われた岡崎は「子供の頃から『バットマン』のファンだったので、夢が叶ったような感じ」と参加できたことの喜びを述べながら、「今回のアレンジってやろうと思えばいくらでもできちゃうんですけど、いちファンとして世界中の誰もがパッと見てバットマン、ジョーカー、ロビンとわかる中でどうアレンジしていくかというのをすごくこだわりました」と明かした。

「僕はおふたりのバトンを最後に受け取った側で、アンカー的な立ち位置」と例えた水崎監督は、「中島さんのお話の面白さと、岡崎さんのどこまででもアレンジはできたけど、バットマンはバットマンで留めるっていうこだわりも受け止めて、皆様に『バットマン』を好きになってもらえるように作りました」と作品への思いを語った。

イベントの中盤には、スペシャルゲストとして「バットマン」と同じく“ワールドワイド”に活躍する叶姉妹が登場。和を意識したというきらびやかな衣装で姿を現した。いち早く作品を鑑賞したという妹の美香は「今までの『バットマン』と違う！というのが第一印象で、いろんなキャラクターが登場してすごく楽しめました。『なんでこんなことになるの!?』っていうクエスチョンがいっぱいあったり、突っ込みどころが満載」と感想を述べる。姉の恭子も同意見だったようで、「（鑑賞中に）『なぜこうなっちゃうのかしら？』と美香さんに聞いたら、『そんなことは考えずに見るものなのよ』って言われて」と諭されたことを明かす。美香も「映画を観ている間にツンツンってされたり、質問攻めでした（笑）」と好奇心旺盛な姉の様子を思い返した。

ここで美香から制作陣に「和と洋のバランスはどれくらいの割合でお考えになられていたんですか？」という質問が。中島は「“西洋人から見た日本”というのを、逆に日本人が考えた感じ」と言い、水崎監督も「ハリウッド映画とかでたまに日本のシーンが出てくると、『ちょっと違うよな』って思う場面があるじゃないですか。あれをもっと勘違いさせてあげようっていう世界観で作りました」と作品の狙いを語った。

最後に水崎監督は「『ニンジャバットマン』は、神風動画にとって初の長編作品。今まではアニメのオープニングやミュージックビデオを手がけてきましたが、その密度のまま長編を作りました。相当な情報量で、観たあと倒れる人もいるんじゃないかってくらい濃くしてありますので、何度も観てください」とメッセージを贈った。アニメ「ニンジャバットマン」は2018年に全国ロードショー。

※水崎淳平の「崎」は立つ崎（たつさき）が正式表記。