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映画「ミュージアム」過酷なセット作りで、大友啓史監督が“嫌われそう”に

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映画「ミュージアム」Blu-ray / DVDリリース記念 メディア向け試写会の様子。左から大友啓史監督、装飾の渡辺大智。

映画「ミュージアム」Blu-ray / DVDリリース記念 メディア向け試写会の様子。左から大友啓史監督、装飾の渡辺大智。

巴亮介原作による映画「ミュージアム」のBlu-ray / DVDに付属する特典映像の試写会が本日3月10日に都内で開催され、大友啓史監督と装飾の渡辺大智が登壇した。

2016年に公開された本作は、雨の日にマスクを被って犯行を行う“殺人アーティスト・カエル男”の連続猟奇殺人を描くサイコスリラー。Blu-ray / DVDの特典映像には、3時間を超えるメイキングやキャストインタビューなどが収録される。

「るろうに剣心」シリーズや「3月のライオン」など、約6年前からタッグを組み数々の映画を制作してきた大友と渡辺。本日のイベントでは、グロテスク要素をたっぷり詰め込んだセット装飾について話を繰り広げていく。まず渡辺は「母の痛みを知りましょうの刑」のシーンで登場した青年の部屋を作っていくにあたり、「引きこもったオタクの友達とかもいないんで、秋葉原に行って男の子をナンパしました」と裏話を暴露。「アイドルのグッズが売ってるデパートで、『これぞ!』っていう子に『牛丼奢ってあげるから』って言って」と話し、一緒に買い物をして彼のアドバイスを映画に取り込んだと明かした。

次に話題は小栗旬演じる刑事・沢村久志と、妻夫木聡が演じるカエル男によるカーチェイスのシーンへ。大友は「騎馬戦をやりたかったんですよね。最後車がひっくり返った後に、さらにガンガン(もう1つの車を)当ててるんだけど、車を肉弾戦に見せるにはどうしたらいいかなっていうことを考えてました」と述べる。公道を使った本格的なカースタントに、渡辺は「日本の道では電信柱にも当てられないので、アクションで派手に見えるものは何かって常に考えてました。ぶつかるたびに、本物ではないですけどガラスを撒いたりとか」と振り返る。

後半は、カエル男が暮らす屋敷・霧島邸についてトーク。渡辺は「“ミュージアム”という言葉から普通に作っていくと、美術館の真似になっちゃうなと思ったんです。どういうふうに異常性を出していくかって考えたときに、東京駅前にあるKITTEの展示に負けない物量を用意しようと(閃いた)」と語る。

またとある体育館にこもり、日の当たらない環境でセット作りをしていたという渡辺は「本当にそれが嫌で、もう大友さん大嫌いになりそうだった(笑)」と笑い混じりにコメント。大友は「セットに行ったとき、大智に真っ先に『人は日差しを浴びると救われるのに、コイツ(カエル男)はそんなこともできないんだ』って言われて……」と述懐。「段取りを含め、撮影は本質から麻痺していく行為だから、違う動きをしてる誰かがフッとそういうことを言ってくれるってくれると改めて『そうだよなあ……』って気付かされる」と述べた。

トークの最中には、大友から「装飾はキャラクターのストーリーを語っていく仕事」という言葉も。こだわって作った部分がシーンに映り込まないことも多いという装飾について、「人は空間で動きや考えが変わるんですよね。嘘から真(まこと)を作る仕事だから、ほんのちょっとでも真に近い環境を用意したい」と真剣に語る。

最後に大友は本日のイベントについて、「一緒に話せるのはシンプルに楽しかった」と満足げに笑う。それに対し渡辺は「大友さんと仲良さそうに話してるけど、実は電話番号すら知らないんですよ。でも今日で近づいた気がします」と冗談めかして返し、イベントは和やかに終了した。

(c)巴亮介/講談社 (c)2016映画「ミュージアム」製作委員会

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