「美少女戦士セーラームーン展」の通常営業が終了した22時よりスタートしたこのナイトツアーは、「セーラームーン」ファンに“おさBU”と呼ばれ、親しまれている小佐野の展示解説を聞きながら会場内を回るというもの。第1回はオフィシャルファンクラブ「Pretty Guardians2016-2017」のメンバー限定で参加者を募集。890人が応募した中、抽選に当選した60名が参加した。
参加者はまず「セーラームーン伝説の始まり」コーナーに。小佐野は壁に並べられた旧版の単行本の表紙を指差し、「このロゴは単行本用に作ったもので、結構お金をかけたんですよ」とこだわりを明かす。なかよし1992年2月号(講談社)に掲載された、第1話の着色原稿が展示されたこのエリア。第1話のカラー化は武内の希望によるものだそうで、「武内先生はカラーになったものをみんなに見てもらいたいとおっしゃっていました」と話した。
また第1話のセーラームーンはメガネをかけていることに触れ、「メガネをかけているのは、『コードネームはセーラーV』の影響ですね。でも当時のアニメの技術ではメガネをかけていると(キャラを)動かしにくいし、メガネをかけていない素顔のほうがかわいい、という意見が多かったから、徐々にかけなくなりました」「セーラームーンの髪の色は最初、白とか銀とかだったけど、なかよしの表紙担当者が『黄色のほうがいいよ』と言ったんです。武内先生もその意見を受けて、黄色になりました」とデザインに関するエピソードを披露。さらに当時の付録を見せながら「付録は準備に半年かかる。先行して作るので、連載でメガネをかけなくなっても付録ではかけてるんです。髪が銀色のセーラームーンの付録もあります」と、デザインが異なるセーラームーンが存在する理由を語った。
次に武内の原画を展示した「美しきセーラームーン原画の世界」コーナーへ。「カラーインクで描かれたものがほとんどなんですが、カラーインクは色が飛んで劣化してしまうんです。きれいな原画が見れる機会は少なくなっていきますよ」と悲しげな面持ち。また「連載が終わったら、原画を1枚くれると約束していたんです。僕は当然(セーラー)マーキュリーの原画がほしかったのですが、やっぱり原画は先生のところにあるほうがいいだろうと考えて、その約束はなくなりました」と武内とのやりとりを明かす。
イベントの終盤、小佐野は原画集の刊行を前向きに検討していることを告げ、ファンを喜ばせる。また「Pretty Guardians2016-2017」の会報にファンが何を望んでいるのか、直接リサーチするなど交流を深めていた。最後に小佐野は参加者1人ひとりに直筆のメッセージとサインが書かれたポストカードを手渡し、イベントは閉幕した。
「美少女戦士セーラームーン展」は6月19日まで六本木ヒルズ展望台にて開催中。また「美少女戦士セーラームーン20周年プロジェクト」の一環として発足した「Pretty Guardians2016-2017」は、2017年6月30日までの期間限定企画となる。会員の募集は6月30日まで受け付け、会費は5940円。入会特典として、なかよしの付録を復刻したデザインの会員証と、メイクアップリップグロスがプレゼントされる。
「美少女戦士セーラームーン展」
会期:2016年4月16日(土)~6月19日(日)
時間:10:00~22:00(最終入館は21:30)
会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内 スカイギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
会期中無休
展示替えスケジュール
第1期:2016年4月16日(土)~5月8日(日)
第2期:2016年5月9日(月)~5月29日(日)
第3期:2016年5月30日(月)~6月19日(日)
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リンク
- 美少女戦士セーラームーン展 │ 美少女戦士セーラームーン展公式ウェブサイト
- Pretty Guardians2016-2017
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