「ジキル&ハイド」など、世界中でミュージカルのヒット作を生み出すフランク・ワイルドホーンが音楽を、紫綬褒章を受章した栗山民也が演出を手がける本作。まず夜神月役を演じる浦井健治が登場し、冒頭で歌われる「できるものなら」と作品を代表するナンバー「デスノート」を披露した。月がデスノートを拾い、疑心暗鬼ながらテレビで見た犯罪者の名前を書いてその力を確かめ、悪を裁く決意をするまでが歌い上げられていく。また浦井の後にはWキャストで月を演じる柿澤勇人も登壇し、「デスノート」を歌唱した。
そして唯月ふうか演じる弥海砂によるダンスナンバー「恋する覚悟」では、吉田鋼太郎演じるリュークがステージを盛り上げる。さらに浦井と小池徹平演じるLによる「死のゲーム」、濱田めぐみ演じるレムが海砂への思いを歌う「愚かな愛」と続き、最後は柿澤勇人演じる月と小池による、1幕のラストを飾るナンバー「正義はどこに リプライズ」。キラを神と崇める群衆の様子が、堂々と表現された。
熱演の後は浦井、柿澤、小池が報道陣の取材に応じ、浦井は「日米合作という形で稽古が進んでいるが、双方の熱い思いをひしひしと感じながら取り組んでいます。世界初演のオリジナルキャストという誇りを持ってほしいとワイルドホーンさんにも言われたので、そういう気持ちで挑んでいます」と語る。また役作りについて柿澤は「月が普通の少年であったことを大事にしたい」と言い、「栗山さんにも『今起きている事件の殺人鬼といわれている人たちも、最初から悪だったのか?』と問われた。純粋なものが変わっていく恐さをうまく表せたら」とコメント。
一方原作の大ファンだったという浦井は、最初は夜神月のイメージが定着していて大変だったというが、「朝から晩まで稽古をしていると役が身近に感じられる。月が悲しい人物に見えてきて、ひりひりした痛々しさを出していきたい」と思いをにじませた。
小池はミュージカル経験が浅いと恐縮しながらも、「イチからみんなで試行錯誤しながら、少しずつ形になってきて、方向性が見えてきた。がんばるしかないという気持ち」と意欲を見せる。また「ずっとLのことを考えていると、あんまり普段は引きずらないが、なんか最近私生活も暗いな俺、と思い始めて。部屋の電気も暗めだな……と(笑)。みんなから楽しい話を聞きたくなるくらい、役が染み込んでいる」と冗談交じりに語っていた。
最後に意気込みを問われると、浦井は「アットホームな現場です。このカンパニーで世界初演ができることをすごく幸せに思います。リュークこと吉田(鋼太郎)さんに食われないようがんばります(笑)」、柿澤は「今この世の中に訴えられるメッセージもたくさん込められている。『DEATH NOTE』のエネルギーをぶちまけたい」と話していた。
「デスノート THE MUSICAL」は、4月6日から29日にかけて東京・日生劇場にて上演される。なお大阪と名古屋公演も予定されているほか、7月から8月には異なるキャストで韓国でも公演を行う。
関連記事
小畑健のほかの記事
リンク
- デスノート | ホリプロ オンライン チケット
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
未来 @mikitowt
ミュージカル「DEATH NOTE」楽曲披露、L役の小池徹平「私生活まで暗くなった」 - コミックナタリー http://t.co/45NeoAK1i8