スクリーンでは、TV放映版から劇場用に音や映像を調整し、DCP化された映像を上映。長濱監督たちも実際に映像を観たのは今回が初めてだという。長濱監督は「音がよかったですね。細かいところまで見えるし、聞こえるので、作ってるほうはちょっと怖かったですが(笑)」とコメントするも、「でもこの特別編は本当にいまのベストを尽くしたので、やり切れなかったことというのはあまりない」と自信のほどを伺わせた。
特別編では日食のシーンに前期のキャラクターたちが登場し、空を見上げるという演出も。長濱監督はこのシーンについて「『蟲師』に触れてくれる方が、アニメ再始動にスッと入ってこれるように、(続章へと)繋げる役割として馴染みの顔を入れた」と、前作のキャラクターを登場させた意図を語る。そして「『蟲師』には明確な時間軸がないので、ここで時間軸を限定するつもりはない」「このキャラがこの時間に日食を見ているはずがないと思う方は、違う時間にただ空を見上げているだけかもしれないと思ってください」と説明した。
アフレコ現場について話が及ぶと、長濱監督は「久々に顔を合わせた(小林)愛ちゃんに『痩せた? あんなコンテ描いてるからだよ!』と言われまして」とモノマネをして会場を沸かせる。小林は「そんな言い方してないですよ!(笑)」と反論しつつ、「でもそれくらいコンテが本当にすごいんです」と期待を煽る。監督が描き込んだという絵コンテは4月23日発売のBlu-ray&DVDの特典ブックレットに収められるので、発売を楽しみに待とう。
また土井は化野役のうえだゆうじについて「子どもたちと一緒に収録している姿が新鮮でした。『サウンド・オブ・ミュージック』のマリアのようでした(笑)」と振り返り、「うえださんが1人で引っ張ることもできたのに、子どもたちと一緒にこの場面を作ろうという感じが伺えましたね」と感心した様子を見せる。また赤ん坊が泣いているシーンでは、実際にスタッフの子供に泣いてもらって収録したとのこと。リアルな泣き声を採用するという「蟲師」ならではのこだわりだ。
そしてトークは続章の話題へ。続章の制作は特別編のTV放送直後に、続章全11エピソードの場面写真が次々に現れたのち、「続章制作決定」の文字が現れ告知されていた。この場面写真は、まだアニメ化していないエピソードだとわかってもらうために、原作のコマから構図を一切変えていないという。会場のスクリーンに全11エピソードの場面写真が映し出されると、長濱監督は「モノトーンなのにカラーに感じますよね」と、惚れ惚れと見つめコメントする。楽しみにしているエピソードを聞かれると、小林は自身が出演する「棘の道」を挙げ、同時にプレッシャーを感じていると語った。
トークが終了すると、続章の第1話「野末の宴」を上映。観客たちはまさかのサプライズに歓声を上げ、ひと足早く新作を楽しんでいた。
■「蟲師 続章」放送告知CM
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Simona Stanzani 詩文奈 @simona_com
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