天上天下唯我独尊 鶴ぼ~ちゃんのアニメPへの道 第2回 [バックナンバー]
J.C.STAFFに行ったら神アニメの監督に偶然出会えたんだがこれは運命だろうか。
締切に遅れているスタッフにどう催促する? サンリオアニメの作画や色付けにもガチで挑戦!
2021年8月28日 12:00 16
CG部
キャラクターや背景、特殊効果など、従来の作画だけでは難しかった映像を3DCGで制作する。中でもデザイングループはスマートフォンやパソコン、ゲームの画面から、食品パッケージ、雑誌の表紙まで、さまざまな小物のビジュアル作りを担当。CGは表現の幅を広げるだけでなく、一度モデリングさえしてしまえば作業効率を格段に上げられることも可能にする。
整理して、補完して、デザインする
ここでは「ミュークルドリーミー みっくす!」に登場する、とある変身アイテムの3Dモデルを見せていただきました。鶴房さんはこのかわいらしいフォルムに見覚えがあるようで……。
鶴房 うわ、妹が持ってたようなおもちゃ! めっちゃ懐かしい!!
應後一貴 日向ゆめが持ってるミュークルレインボウですね。
鶴房 こういうの、1個作るとしたらどれくらいかかるんですか?
應後 設定書をいただいてからは、1~2日であらかた作ります。実際におもちゃとして商品化されるものなので、あとはアニメとしての落としどころを確認して調整していくっていう感じですかね。
鶴房 やっぱ本当におもちゃにするんや! ちなみにこのアイテムはどこから作り始めたんですか?
應後 これは中心の持ち手部分からですね。大きいパーツから作っていって、細かい装飾品をだんだん足していきました。
鶴房 真ん中に入ってるのは飴ちゃんですか?
應後 ええっと、ビーズですかね……?(笑)
鶴房 いやあ、でもこれは2日かかりますね。もっとかかってもいいくらいです。
應後 動きが大きいものだと、もう少し手こずりますけどね。ミュークルレインボウは稼働部分が少ないのでまだ作りやすいですけど、人とかだったら関節が曲がることを考えながら作らないと後々動かせないところが出てきちゃうので。
鶴房 そういうこともあるんですね。
應後 あとミュークルレインボウの場合は3Dの設定書があったんですけど、紙の設定書だと正面と横から見たときの辻褄が合わないとかがあるんですよね。だから自分の中で整理して、どこを補完しなきゃならないかを考えるのが難しいところです。
鶴房 自分で考えて補うってすごいな……。これはめっちゃ頭よくないとできない仕事ですね。
撮影部
作画部、仕上部、美術部、CG部までが作ってきた各データを合成し、メリハリのある画面にするためカメラワークやエフェクトなどの画像処理を行う。ここでの作業でアニメの画作りは完了。あとはJ.C.STAFFの手を離れ、アフレコやダビング、編集に移る。
できる限りのキラキラを
「ミュークルドリーミー みっくす!」の撮影管理・東郷義宏さんは、先ほど鶴房さんが原画をトレスし、着色したカットが本番ではどう画像処理されていたのかを見せてくれました。
東郷義宏 「ミュークルドリーミー みっくす!」には毎回キャラクターが決めポーズをするシーンがあるんですが、先ほど鶴房さんが作業されたカットはそのうちの1つです。僕たちはまず仕上部から上がってきた動画をパソコンに取り込んで、動きを付けてあげることから始めます。そうすると動画が画面のタイムライン上に現れるので、タイムシート(カメラワークやセリフのタイミングが、時間経過に沿って書き込まれている用紙)の順番通りに番号を振っていくんですね。そうすると何枚かの動画と組み合わさって、こうやって口が動いたように見えるんです。
鶴房 すご、口開いた!
東郷 あとはレイアウトに従って、ちあが画面下から上がってくるような処理を施しました。単純な処理だけだとカクカクっとロボットみたいな動きになってしまうので、もうちょっと緩やかにしてあげてますね。
鶴房 もう普通にテレビで見るような映像になってきましたね。
東郷 動きをつけた後は、イメージBGと呼ばれる処理を入れていきます。ここでは見せ場ということが小さいお子さんにも伝わるように、キラキラしたエフェクトを足しました。こういうエフェクトは監督から指示があって行う場合もありますし、撮影者の判断で入れることもあります。例えばこれは女の子と男の子がいい感じになるシーンなんですが、もっとムードを出したいということで撮影者が光の加減を足しているんですね。
鶴房 全然違いますね! 左やったら深海に沈んでるふうに見えます。
東郷 あとは「ミュークルドリーミー」特有の処理だと、ぬいぐるみの頬をぼかしてあげる作業があります。ちあに関しては赤ちゃんなので、ほかのキャラクターよりぼかし薄めで、頬の輪郭をハッキリさせることで子供っぽさを出していますね。
鶴房 お化粧みたいですね。
東郷 こういうふうに、撮影部では見栄えを少しでもよくするための作業を行っています。「ミュークルドリーミー みっくす!」はできる限りキラキラを足してあげて、観た人に「かわいいな」「きれいだな」って思ってもらえたらうれしいですね。
さっき学んだあの業界用語が……
見学を終えて部屋に戻ろうとしたとき、真っ暗な部屋でちょうどラッシュチェックが行われていました。ラッシュチェックとは完成映像をチェックし、映像に間違いがないかと、指示通り撮影されているかを確認し、リテイク出しを行うこと。新人だとリテイク箇所を見つけるのは難しいそうですが、鶴房さんは早々に“パカ”を発見していました。
見学を終えて
──お疲れさまでした。6つの部署を回ってみていかがでしたか?
よく、アフレコでキャラクターに命を吹き込むとかって言うじゃないですか。でも今日見学させてもらって、作画だったり背景だったり、そういう1つひとつの作業で作品が徐々に生き生きしていってる感じがしました。ほんまに一瞬のシーンなのに皆さんこだわっていて、たぶんこれからアニメを観る目が変わってくるなって思います。
──もし鶴房さんがJ.C.STAFFで働くとしたら、どこの部署が向いてると思いましたか?
作画ですかね。撮影もいいかもしれないです。あ、いやいや、やっぱり制作でしょ!(笑)
──あはは(笑)。当然のことを聞いてしまいました。
でも絵を描くのはやっぱり好きなので、作画の体験は楽しかったです。撮影も知らないと見逃してしまいそうな効果が面白かったんで、誰か気付くかな?って感じでこっそりなんかを仕掛けたいです。
──各部署の役割も見えたところで、鶴房さんがもしJO1のメンバーと一緒にアニメを作ることにしたら誰をどう振り分けますか?
えーっと、まず制作部が僕ですよね。で、絵が上手い(與那城)奨くんと(佐藤)景瑚くんを作画にします。美術は(大平)祥生と(白岩)瑠姫くん。祥生はカメラが好きでよく写真撮ってるから、背景とかも詳しいと思うんで。瑠姫くんは付き添いで行ってもらいます。
──美術部の作業が白岩さんの得意分野だからとかではないんですね(笑)。
瑠姫くんの得意分野は“王子(キャラ)”なので全然関係ないですね。でも祥生と一緒にやってる姿が目に浮かびました。あとイメージでしかないですけど、CGは木全(翔也)と(川尻)蓮くん。頭いいので(河野)純喜くんもデザイングループに入れます。あとの3人は……いやあ、どこにもいらないかもしれないです(笑)。
──川西拓実さんと金城碧海さんと豆原一成さん。
この人これだなってピンとくる部署がないんですよね。いや、でもやっぱ豆ちゃんは制作部に入ってもらいます。
──好青年で、いろんな部署の人にかわいがられそうですもんね。
拓実くんと碧海には申し訳ないですけど、この世界は向いてないかなと。すみません、僕の勝手な判断です(笑)。
鶴ぼ~ちゃんの取材メモ・感想
次回予告
鶴房さんが「ミュークルドリーミー みっくす!」のアフレコ現場に訪問します。音響監督からの演技指導を受け、アフレコにも挑戦させてもらう予定です。
また連載の感想やご意見も、ハッシュタグ「#鶴ぼ~P」で募集中。アニメにまつわる気になることをツイートしてもらえたら、鶴房さんやスタッフが参考にさせていただきます。
鶴房汐恩(ツルボウシオン)
2000年12月11日生まれ、滋賀県出身。サバイバルオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」にて約6000人の応募者から視聴者投票で選ばれ、世界的な活躍を目指すボーイズグループ・JO1のメンバーとして2020年3月にデビューした。
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