スペアザ“ホーム”で宣言「いろんな場所に連れていきたい」

SPECIAL OTHERSが全国ツアー「QUTIMA Ver.15 Tour "Have a Nice Day"」の東京公演を、昨日12月18日にZepp DiverCity TOKYOにて開催した。

約2年ぶりとなるオリジナルフルアルバム「Have a Nice Day」を携え、11月3日の神奈川・横浜BAY HALL公演からスタートしたこのツアー。ツアーファイナルの沖縄公演を目前に控えた昨日のライブは、地方での16公演を経て削ぎ落とされた、シンプルかつ骨太なセッションが光る2時間半となった。

従来のワンマンライブ同様に、この日のライブも2部構成で展開。舞台に現れたメンバーはSEをバックにそれぞれの楽器の音を鳴らし始め、誰からともなくセッションを開始する。そのまま1曲目「ORION」へと流れ、4人は次々と心地良いサウンドをフロアに届けていった。

1部で披露されたのはクセのあるメロディが印象的な「ROOT」や、屋外にいるかのような開放感のあるアンサンブルを奏でる「Raindrops」など。また「STAY」では宮原“TOYIN”良太（Dr）と芹澤“REMI”優真（Key）の伸びやかなボーカルが響き、フロアを埋め尽くす観客を高揚させていく。「Have a Nice Day」では柳下“DAYO”武史（G）のギターに一瞬トラブルが発生するも、メンバーは手を止めることなく演奏を続行。柳下もギターを換えると何事もなかったようにセッションに再合流し、改めてバンドの結束力と集中力の高さを伺わせた。

一切休憩もMCもなく約1時間のセットを終えると、インターバルを挟み第2部へ。メンバーはふらりとステージに戻ってくると、まずはライブの定番曲「Uncle John」をゆったりとプレイ。続けて赤い照明が灯る中でスリリングな「ORGAN BASS」を奏で、その後も新旧の楽曲を即興を挟みつつパフォーマンスする。イントロが鳴った瞬間に歓声が上がった「PB」では、又吉“SEGUN”優也（B）が体を揺らしながら激しくベースを奏で、心地良いグルーヴを作り出す。演奏時間が約10分におよぶ同曲では、高揚感のあるサビが何度も繰り返され場内の空気が急速に熱を帯びていった。

「AIMS」でオーディエンスをひとしきり踊らせたメンバーは、クライマックス直前にこの日初めてのMCを実施。「東京のほうが地元よりライブをやってるよね。俺たちにとって東京はホームだよね」「昔は青山のライブハウスに軽トラと原チャリで来たよね」など思い出話に華を咲かせる。そして柳下は「SPECIAL OTHERSは今後もどんどん新しいことをやって、皆さんをいろんな場所に連れていきたいと思います」とバンドとしての決意を語った。

アンコールでは又吉が口を開きマイペースなトークを展開。おもむろに「オフィシャルサイトのカウントダウン見た？ マジで教えられないんだけど、何が起きるか考えながら、今から期待しといて」と意味深な発言で観客を煽る一幕も。そしてメンバーはリラックスした表情で「Laurentech」を披露し、ライブのフィナーレを飾った。

なお「QUTIMA Ver.15 Tour "Have a Nice Day"」は、12月24日の沖縄・沖縄桜坂セントラル公演をもって千秋楽を迎える。この日は東京公演とは異なるセットリストが用意されるとのことなので、足を運ぶ人は楽しみにしておこう。

SPECIAL OTHERS「QUTIMA Ver.15 Tour "Have a Nice Day"」
2012年12月18日＠東京都 Zepp DiverCity TOKYOセットリスト

01. ORION
02. ROOT
03. Random
04. STAY
05. Raindrops
06. IDOL
07. Have a Nice Day
08. Uncle John
09. ORGAN BASS
10. PB
11. AIMS
12. beautiful world
13. Laurentech