清竜人が実力派たちと魅せた「"WORLD" TOUR」千秋楽
2010年5月10日 19:29 1
この日のライブは、2ndアルバム「WORLD」に伴う初のワンマンツアーの追加最終公演。ツアー本編同様、山本タカシ(G)、Tokie(B)、
「WORLD」からの楽曲を中心に構成されたライブは、アルバムの1曲目「ワールド」から幕開け。3曲目の「マイ☆スター」からギアが入り始め、清の伸びやかなハイトーンボイスが会場を満たしていく。アコースティックギターに持ち替えて披露された「Morning Sun」では、息づかいまで聞こえてくるような声を響かせ、オーディエンスをうっとりとさせた。
哲学的な歌詞を噛みしめるように歌い上げられた「それぞれそれぞれ」、誰かに思いを馳せるような表情が印象的だった「マドモアゼル」のあとは、ステージ中央に設置されたグランドピアノ型の電子ピアノの前に移動。清は「改めましてこんばんは……歌います」とボソっと口にすると、躍動的な「ジョイフル」で会場の空気を変えた。
「がんばろう」「ジョン・L・フライの嘘」と弾むようなナンバーに続いて、攻撃的な一面を覗かせるジャジーな「あくま」を熱唱。フェイクを聴かせる歌声やうねるような山本のギターが、赤く染められたステージに映えわたる。美しいファルセットを響かせた「痛いよ」、清のファンキーな歌声とASA-CHANGのエキゾチックなリズムとの絡みあいで魅せた「偉い偉いさんのボタン」のあと、清がおもむろに口を開く。
「早くも最後の曲になりました」と切り出すと、あちこちから「えー!?」という声が。この時点ですでに13曲が演奏されていたが、MCらしいMCを挟まなかったため短いと感じた人が多かったようだ。清はファンをなだめるように「ウェンディ」を丁寧に歌い上げ、会場にみずみずしい空気を送り込んだ。
アンコールでは清が先陣を切って登場。彼がオーディエンスに向かって控えめに手を振ると、「わぁっ」と歓声があがった。ASA-CHANGのハイテンションなファンサービスを盛り込んだメンバー紹介を経て、「悲システム」「風もバラも雪もぼくも」をプレイ。その後バンドメンバーを送り出し、星空のような照明演出のもと、「違う」を弾き語りで情感たっぷりに歌い上げた。
演奏を終えピアノの脇に立った彼は、「初めてのワンマンツアーで、本当に自分だけのためにこんなにたくさんのお客さんが集まってくれるなんて感慨深いものがありました。まだ感情をうまくかみ砕けていないんですが、大好きな人とするセックスのような、ドキドキでハッピーな関係になれたんじゃないかと思います」とはにかみながらコメント。しかし語り終えると自分の言葉に照れくさくなったのか、猛烈なスピードでステージから退場していった。その姿はとても微笑ましいもので、「"WORLD" TOUR」は清のシャイな人柄を表すような形でフィナーレを迎えた。
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音楽ナタリー @natalie_mu
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